 【 詩曲 Op. 25 】
ショーソン,エルネスト 〔仏〕 (1855.01.20〜1899.06.10) 44歳 事故死

ショーソンは、25歳でパリ音楽院に入学した。 フランクから強い影響を受け、リリックな音楽を 得意とするロマン主義の作曲家で、44年の 短い生涯の間に、交響曲、管弦楽曲、室内楽曲、 歌曲、オペラなど、多岐にわたる分野で作曲した。
フランスの最も清純な、ロマン派的音楽を作り上げた 重要な作曲家といわれている。
彼の作品は繊細で美しく憂愁をたたえ、抒情的だが、 器楽作品としては超一流のものとは認められてない。 しかし、聴く者の心を強く惹きつけるものをもっている。
1896年に作曲された、ヴァイオリンと管弦楽の ための「詩曲」は、香り高い詩情に満ちた作品で、 ショーソンの作品を代表する傑作の一つである。
作曲の年の12月27日にナンシーで、 ウジェーヌ・イザイのヴァイオリンにより初演され、 彼に献呈された。
ゆるやかで、神秘的な序奏に始まり、 独奏ヴァイオリンが瞑想的で典雅な第一主題を奏でる。 情熱的で強烈な第二主題。 モルト・アニマートの第三主題。
全体に抒情的な美しい旋律が流れ、 その旋律の展開は交響楽的で、 強い情熱をあらわし、非常に変化の多い 陰影を示し、詩的な感情を高めている。
ショーソンに理解の深かったドビュッシーは、 「この曲のお終いの部分などは、夢のような 甘さで私たちの心を打つ。そこでは記述を忘れ、 感覚そのものになる」と語っている。

(ヴァイオリン)ニコラ・ベネデッティ (管弦楽) ロンドン交響楽団 (指揮) ダニエル・ハーディング ♪ 私が聴いた音源 ♪
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