 【 リノスの歌 】
ジョリヴェ,アンドレ 〔仏〕 (1905.08.08〜1974.12.20) 69歳

現代フランス作曲界でメシアンとともに大家に 列しているジョリヴェは、ピアニストの母と、 画家であり、劇場の舞台装置家であった父との間に パリのマンモルトルの付近で生まれた。
両親から芸術的資質を受け、芸術家になることを 望んだものの、ソルボンヌ大学で哲学を学んだ。
卒業後は教師となったが、音楽の勉強は続けていて、 最後に学んだエドガー・ヴァレーズの影響が大きい。
50年前の12月20日、心臓発作のため パリで69年の生涯を閉じた。
悲劇的な運命を遂げたギリシャ神話に登場する 詩と音楽の神のリノスへの追悼の歌として、 1944年の第二次世界大戦の最中に作曲した 「リノスの歌」は、自らも経験した悲しい思いを胸に、 自分自身の音楽の力を信じ、祈り、 そして希望の気持ちを作品に込めて書かれた。
〜リノスの歌とは古代ギリシャにおける挽歌、葬送の 悲歌、叫びと踊りが交錯する哀しみの歌である〜 (ジョリヴェが楽譜の冒頭に書いた言葉)
ギリシャ神話に登場する知と音楽の神のリノスは、 オルフェウスの弟でリラ(竪琴の一種)の名手だった。 ヘラクレスの竪琴の師だったがきつく叱ったため、 ヘラクレスに殴られて殺されてしまった。
死を悼む人々の慟哭、5拍子のゆったりした 「哀歌」と7拍子の狂奔な「舞曲」が錯綜し、 曲全体を通してギリシャ音階を巧みに 使用しながらその緊迫した雰囲気を漂わせている フルートとピアノのための作品である。

(フルート)ヴォルフガング・シュルツ (ピアノ) アンドリアン・コックス ♪ 私が聴いた音源 ♪
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