 【 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35 】
コルンゴルト,エーリヒ・ヴォルフガング 〔墺→米〕 (1897.05.29〜1957.11.29) 60歳

コルンゴルトは音楽評論家ユリウスの次男として、 モラヴィア地方のブリュンで生まれた。 父親から音楽の手ほどきを受け、幼いころから 作曲の才能を示し、名前がモーツァルトと同じ ヴォルフガングということで「モーツァルトの再来」と 言われるほどの神童ぶりだった。
9歳のときに作曲した「カンタータ」は、 マーラーを唸らせたといわれている。 11歳のときに作曲したバレエ「雪人形」は、 ヴィーン宮廷歌劇場で初演された。
23歳のときに歌劇「死の都」を初演し、 オペラ作曲家としてドイツ、オーストリアで活動したが、 ユダヤ系だったことからナチスの弾圧を逃れて 1934年にアメリカに渡り、映画音楽の作曲家として 成功をおさめ、アカデミー賞にも輝いた。 彼の作風は、ジョン・ウィリアムズに継承された。
戦後は映画音楽作曲の筆を絶ち、 シリアス・ミュージックの作曲家に戻るべく 新作を携えヴィーンに戻ったが、コルンゴルトの 後期ロマン派的作風は前衛音楽全盛の 音楽業界から受け入れられなかった。
失意のうちにハリウッドに戻り、1943年に アメリカ市民権を得たが、その14年後の 11月29日にハリウッドで60年の生涯を閉じた。
調性(ニ長調)と作品番号(35)が、 チャイコフスキーの協奏曲と同じコルンゴルトの ヴァイオリン協奏曲は、48歳のときに作曲され、 2年後にヤッシャ・ハイフェッツの独奏と セントルイス交響楽団によって初演された。
3楽章からなる協奏曲のそれぞれの主題は、 彼が作曲した映画音楽からとられている。
第1楽章 Moderato nobile 〔砂漠の朝〕のテーマ音楽 〔ファレス〕の「カルロッタの主題」 第2楽章 Romanze: Andante 〔風雲児アドヴァース〕 第3楽章 Finale: Allegro assai vivace 〔放浪の王子〕テーマ音楽

(ヴァイオリン)アンネ=ゾフィー・ムター (管弦楽) ロンドン交響楽団 (指揮) アンドレ・プレヴィン ♪ 私が聴いた音源 ♪
|
|