 【 3つのコラール 】
フランク,セザール・オギュスト 〔ベルギー〕 (1822.12.10〜1890.11.8) 67歳

作曲家、オルガニストとして活躍した フランクの最高傑作の一つであり、オルガン曲の中で 第1級の地位を占めているのが 「オルガンのための3つのコラール」である。
第1曲 Moderato ホ長調 第2曲 Maestoso ロ短調 第3曲 Quasi Allegro イ短調
彼の最後の作品で1890年の夏から秋にかけて、 死を前にして作曲された。
死の床でこれを書き上げたフランクは、 音栓(オルガンの音色を変化させる装置)の 組み合わせを決定するために、どうしても もう1度だけサン・クロティルド教会の愛器のところに 行きたいと言いつつ、ついに果たされなかった。
フランクは創作力の頂上に達しながら、 134年前の11月8日に肋膜炎で世を去った。 その数カ月前に、音楽院の授業に行く途中、 往来で馬車のかじ棒に横腹を打たれ、 回復しなかったのだった。
彼が生まれたのはベルギーだったが、 銀行家の父はフランクを華やかなピアノの 名手にしようと、パリに移り住んだ。 家系には画家が多く出ていて、 知友も芸術家が多かった。
しかし、フランクの求める音楽は 父の意に反し、彼はオルガン奏者となり、 生徒を指導する傍らで作曲をしていた。
当時のフランスの楽壇は、軽いオペラ作品が 世人の好みを支配していて、これもフランクの 目指すものではなかった。
カトリック教徒のフランクは、信仰のあつい 聖者のような、静かさをたたえた人間で、 戦いをいどまなかったことから 俗世間からは離れていった。
だが、真剣に音楽を考える若い作曲家たちは フランクの真摯な態度にひきつけられ 「フランキスト」と呼ばれる楽派を作っていった。
彼の傑作といわえる作品が生まれるのは 50歳を過ぎてからで、世間の人たちが 理解し始めたのは、亡くなる寸前のことだった。

(オルガン)マルセル・デュプレ ♪ 私が聴いた音源 ♪
【 歌曲「天使のパン」】は、11月7日に掲載
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