 【 アランフェス協奏曲 】
ロドリーゴ,ホアキン 〔スペイン〕 (1902.11.22〜1999.07.06) 97歳

二十世紀スペインを代表する作曲家のロドリーゴは、 3歳のころ、悪性ジフテリアのため失明した。 盲目であるにもかかわらず、ユネスコの委員、 大学教授、放送関係、ピアノ演奏活動 評論活動など幅広く活動した。
スペイン内戦中に作曲したアランフェス協奏曲が バルセロナで初演されたのは、 1940年11月9日のことで、大成功を収め、 ロドリーゴは一躍一流作曲家の仲間入りを果たした。 その後、ファリャ以後のスペインを代表する 作曲家として認められるようになった。
ロドリーゴはスペイン内戦の間、フランスのパリと ドイツのフライブルクで過ごした。 フライブルク滞在中に書かれ、マドリードに 戻った後に全曲が完成した。
「アランフェス協奏曲」のアランフェスは、 マドリードの地名で、かつてはスペイン王族の 避暑地として栄えた場所である。 スペイン王家の美しい離宮があり、たくさんの 彫刻や噴水や滝が点在するその庭園の美しさは、 ヨーロッパでも屈指のものといわれている。
画家のフランシスコ・デ・ゴヤが活躍した 18世紀後半のスペインの貴族的なものと、 民衆的なものが解け合った古き良き時代の 雰囲気を描いている。
甘美な哀愁にみちたこの協奏曲は、3楽章からなり、 オーケストラをバックにギターがソロを弾く。 内乱で疲れ切ったスペインの人々の心に捧げられた。 第2楽章の旋律は広く親しまれているが、 初めての子どもを失ったときの悲しみと、 妻も重体に陥ったときの神への祈りが 込められている。
第1楽章 Allegro con spirito 第2楽章 Adagio 第3楽章 Allegro gentile

(ギター)イェラン・セルシェル (管弦楽)オルフェウス室内管弦楽団 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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