 【 アレトゥーサの泉 Op. 30-1 】
シマノフスキー,カロル 〔ポーランド〕 (1882.10.06〜1937.03.29) 54歳 肺結核

近代ポーランド最大の作曲家として知られている シマノフスキーは、142年前の10月6日に 裕福な大地主の子どもとしてウクライナで生まれ、 最初に父親からピアノの手ほどきを受けた。
シマノフスキー が生まれたのは、ショパンが世を 去っれ33年後のことで、次第に低迷していった ポーランド音楽に活を入れ、最終的には 自国の民族様式を確立した。
当時ロシア帝国の支配下にあったポーランドは、 1095年のロシアの革命騒動を機に、 民族独立の運動を開始し、作家や音楽家、物理学者の キュリー夫人などがこの動きに加担した。
その年に結成された「若いポーランド」は、 保守的な音楽から脱却して、新しい二十世紀的な ポーランド音楽の創造を目ざしていて、 シマノフスキもメンバーの一人だった。
彼の初期の音楽は、ショパン、スクリャービン、 ブラームス、R・シュトラウスなどの影響がみられるが、 やがてドビュッシーの印象主義を知り、ラヴェルに 傾倒し、その中から個性的な方向を見いだしていった。
アレトゥーサの泉は「神話」と題されるヴァイオリンと ピアノのための「三つの詩曲」の第1曲で、 第2曲「ナルシス」 第3曲「ドリアードとパン」 3曲ともギリシャ神話に題材をとり、印象派の影響を 最も強く受けた時期の1915年に作られた。
アレトゥサはギリシャ神話の水の精で、 河の神アルフェイオスが彼女に恋して迫ったので、 シチリア島に逃れ、ここでアルテミスによって泉に姿を 変えられ、オルティジア島の泉の守護神となった。 あきらめきれないアルフェイオスは、海底を流れて 島に達し、アレトゥサと合体したと伝えられる。

(ヴァイオリン)イレーヌ・ドゥヴァル (ピアノ) ピエール=イヴ・オディク ♪ 私が聴いた音源 ♪
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