 【 カカドゥ変奏曲 ト長調 Op. 121a 】
ベートーベン,ルードヴィヒ・ヴァン 〔ドイツ〕 (1770.12.16〜1827.03.26) 56歳
マリア・マグダレーナ (1746. ? 〜1787.07.17) 41歳

ベートーベンの母親のマリア・マグダレーナは、 彼が17歳の7月17日に肺結核で亡くなった。
そのときベートーベンはウィーンに旅していて、 モーツァルトに演奏を聴いてもらっていた。
母の危篤を知らされ急いで帰郷し、死には 間に合ったが、1787年は最も悲しい年となった。 「母は本当に良い母、愛すべき母、最良の友で、 母さんと声に出して呼べたあのころが、 最も幸福なときであった」と後に述べている。
ベートーベンが学校に通学したのは11歳までで、 その後は学識と教養あるネーフェ(1748~1798)に 音楽教育を受けている。
14歳のころからオルガン奏者として一家の生計を 助けていたが、母の死後、17歳で一家の主として 酒に溺れた生活不能力者の父に代わって、 幼い二人の弟たちの養育の責務を負うことになった。 父の死は、母の死から5年後のことだった。
三重奏 (ヴァイオリン 、チェロ、ピアノ)の 「カカドゥ変奏曲」は、1824年5月にウィーンで出版 された作品だが、正確な作曲年月はわかってない。
第10変奏からなるが、主題はミュラーが1794年に 作曲した歌劇「プラーグの姉妹たち」の中の 「私は仕立屋カカドゥです」の歌による、変奏曲とロンド。
この歌劇は1806年にウィーンで初演され、大変な 人気があって、その後もしばしば上演されたので、 ベートーベンにも強く印象づけられたようだ。
彼は、晩年特に対位法的書法と変奏曲の形式を 好んだが、この変奏曲には、対位法も用いられ、 晩年特有の細やかな美しさをもっている。

ー スーク・トリオ ー
(ヴァイオリン)ヨゼフ・スーク (チェロ) ヨゼフ・フッフロ (ピアノ) ヨゼフ・ハーラ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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