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...... 2024年05月18日 の日記 ......
■ 《 バリトン歌手 》   [ NO. 2024051801-1 ] v

【 歌曲集「冬の旅」Op. 89 】

シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕
(1797.01.31〜1828.11.19) 31歳 チフス

フィッシャーディースカウ,ディートリヒ 〔独〕
(1925.05.28〜2012.05.18) 86歳   



20世紀最高の歌手の一人とされるドイツの
バリトン歌手のフィッシャーディースカウは2012年
5月18日にミュンヘン近郊の自宅で死去した。

ベルリンで生まれたフィッシャーディースカウは
フィッシャーは父方、ディースカウは母方の姓で
ディースカウがバッハの「農民カンタータ」に
ちなんだ領主の名前だったことから、
縁起を担いで両方の姓を名乗ったという。

生地のベルリン・ドイツ・オペラでオペラ歌手として
のキャリアをスタートさせた。
その後バイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭
などにも出演し、古典から現代オペラに至るまで
幅広いレパートリーを誇った。

シューベルトの「冬の旅」やシューマンの
「詩人の恋」を筆頭に、ドイツ歌曲の分野では
完成度の高さと解釈の深さで並ぶものがないとされた。

63年にベルリンオペラと共に初来日している。

歌曲集「冬の旅」は、ミュラーの詩に付曲したもので、
失恋した青年の旅の姿を写している名曲である。
深みを増した旋律と伴奏部の象徴的な使用は、
ドイツリートに新しい面を開いた傑作とされている。

ミュラーは「冬の旅」が作曲された年に33歳で
夭折したが、シューベルトは翌年に
もっと若い31歳で世を去った。

シューベルトはミュラーのこの詩を省略をしないで、
24曲全部を作曲した。
暗く重苦しいのは詩のせいもあるが、そのころ
シューベルトはすでに病魔に打ちのめされ、
貧窮も並み大抵ではなかった。

第5曲の「菩提樹」は、民謡風な調べの、
限りなく美しい歌で、伴奏は葉のざわめきを
感じさせて、描写的である。



菩提樹

泉にそいて 繁る菩提樹
慕いゆきては うまし夢みつ
幹にゆきては 愛の言葉
うれし悲しに 訪うしそのかげ

今日もよぎりぬ 暗き小夜中
真闇にたちて 眼とずれば
枝にそよぎて 語るごとし
こよ、いとし侶 ここに幸あり
        
(近藤朔風訳詞)  



(バリトン)フィッシャーディースカウ
(ピアノ) アルフレッド・ブレンデル
        ♪ 私が聴いた音源 ♪






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