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...... 2024年02月25日 の日記 ......
■ 《 ダンテの「神曲」》   [ NO. 2024022501-1 ] or

【 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」Op. 32 】
  
チャイコフスキー,ピョトル・イリイチ 〔露〕
(1840.05.07〜1893.11.06) 53歳 コレラ
  

  
絶世の美女とたたえられた、十三世紀の実在の
フランチェスカ姫はイタリアのリーミエの領主
ギード・ダ・ポレンタの娘だった。
政略結婚を強いられ、醜男の嫉妬深いマラテスタの
妻となるが、美男子の弟パオロと道ならぬ恋をし、
二人は夫の刃にかかって命を失った。

この話しを伝え聞いた23歳のダンテが、
不朽の名作「神曲」の「地獄編」の第5歌の
終わりで、フランチェスカに告白させている
内容を扱い有名になった。

後に、イタリアの詩人ペッリーコが
悲劇「フランチェスカ・ダ・リミニ」の外題で
書いたことがきっかけで国外にも評判となり、
戯曲、絵画と名作を残した。

音楽でも、チャイコフスキーの他にフランスの
トーマなど、数人が作曲している。

1876年はチャイコフスキーにとって
非常に良い創作に恵まれた年で、「スラブ行進曲」
バレエの名作の「白鳥の湖」チェロの傑作
「ロココの主題による変奏曲」を作曲している。
この夏に、バイロイトのワーグナー祭に行く途中、
汽車の中でダンテの「神曲」を読み
作曲を思いたち、その年に書き上げた。

翌年の2月25日にモスクワで、
ニコライ・ルビンシティンの指揮で初演され、
非常に好評をもって迎えられた。

チャイコフスキーは「ダンテによる幻想曲」と
書いているが、愛に苦悩する人間の感情を
叙情的にかつ雄弁に歌いあげている。

    第1楽章ー幽界の恐ろしい風物が描かれている
    第2楽章ーフランチェスカの霊魂が問われるままに
         哀れな悲しい恋の物語りを語る。
    第3楽章ー多感の詩人にわが悲恋を物語り終えた
         薄命の美女が、愛する人の腕に抱かれ、
         同じような運命で世を去った幽魂たちが、
         木の葉のように吹き飛ばされる地獄の
         ものすごい風にまかれて視野のかなたに
         姿を没する凄惨な光景が描かれている。



(管弦楽)モントリオール交響楽団
(指揮) シャルル・デュトワ  
      ♪ 私が聴いた音源 ♪





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