 【 交響曲 第3番 イ短調 Op. 56「スコットランド」】 メンデルスゾーン,ヤーコブ・ルードヴィヒ・ フェリックス 〔独〕 (1809.02.03〜1847.11.04) 38歳 マズア,クルト 〔独〕 (1927.07.18〜2015.12.19) 88歳

ドイツを代表する指揮者のマズアは、ドイツ東部 シュレージエン地方のブリークで生まれ、2年前の 12月19日にアメリカで88年の生涯を閉じた。
ライプツィヒでピアノ・作曲・指揮法を学び、 ドイツのみならず、西ヨーロッパ・アメリカ・旧ソ連など 世界各地で指揮者として活躍した。
1979年には、読売日本交響楽団の 名誉指揮者にも就任している。
マズアは3度結婚しているが、3度目の妻は 声楽家の桜井偕子で、息子のケン・マズアは サンアントニオ交響楽団常任指揮者を務めている。
1991年にライプツィヒゆかりのメンデルスゾーン 基金を設立し、メンデルスゾーンの再評価を進めた。
メンデルスゾーンは交響曲を5つ作曲したが、 第3番が最も多く演奏されている。 第4番の「イタリア」と同様、旅の印象を 直接の契機として生まれた作品である。
20代を迎えた直後の1829年春から 1832年にかけて、広くヨーロッパ各地を旅行した。 その折、メリー・スチュアートが住んだエジンバラの 古城ホリルードを訪れ、その印象的な風景の中に 立って、女王メリーが住み、恋をした劇的な物語に 思いをはせたようだ。
この体験は、彼の鋭敏な感受性を強く刺激し 「スコットランド」の冒頭の楽想が浮かび、 10小節を書きとめたものの完成されたのは 13年後のことである。
初演に続き、イギリスに招かれてロンドンでの 演奏会でも作曲者自ら指揮をし、大成功を納め、 この曲はヴィクトリア女王に献呈された。 スコットランドのメリー女王の第九代の末孫が、 名君ヴィクトリア女王なのである。
曲は4つの楽章からなるが、幻想の糸を 切らぬようにとの思いからか、各楽章が 切れ目なく演奏されるように書かれ、 当時としては斬新な手法であった。
メンデルスゾーンの長所である旋律の美、 構成上の均衡、すぐれた磨きなどにくわえて、 詩的幻想の豊かさが多くの人から 愛されるものとしている。
第1楽章 Allegro un poco agitato - Andante come prima 第2楽章 Vivace non troppo 第3楽章 Adagio 第4楽章 Allegro maestoso assai

(管弦楽)ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (指揮) クルト・マズア ♪ 私が聴いた音源 ♪
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