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...... 2023年11月26日 の日記 ......
■ 《 眠り続けた協奏曲 》   [ NO. 2023112601-1 ] co

【 ヴァイオリン協奏曲 ニ短調(遺作)】
       
シューマン,ローベルト・アレクサンダー 〔ドイツ〕
(1810.06.08〜1856.07.29) 46歳 精神錯乱
         

              
シューマンが残したヴァイオリン協奏曲は1曲だけで、
しかも、この曲は完成されてから世の光を見ず
放置され、その後80年以上もたってから
やっと発見され初演されたという、いわくつきのものである。

彼は1853年の春、ヴァイオリニストのヨアヒムの
独奏で演奏された、ベートーベンのヴァイオリン協奏曲を
聴き、大きな感銘を受けた。

このころ、シューマンは神経衰弱で常人でない状態が
続いていたが、病状が落ち着いたときには作曲に
精をだしていて、晩年にはヴァイオリンに強い興味を
もったこともあって、秋に短期間で書き上げたのだった。

出来上がった楽譜はヨアヒムに送られたが、彼は
なぜかこれを演奏会で取り上げることをしなかった。
理由として、この曲のヴァイオリン・パートが
凝り過ぎていて、技巧的に大変難しく、それでいて
演奏効果があまりあがらないこともあったようだ。

そして、ヨアヒムの死後、遺書によって
この原稿はベルリンの国立図書館に移管され、
そのままになってしまった。

1937年にヘルマン・シュプリンガーが草稿を
見つけだし、翌年になってヨアヒムを大伯父とする
ハンガリーの女性ヴァイオリニストのイェリー・ダラーニが、
ロンドンで初めてこの曲を演奏した。

世界初演は、11月26日にゲオルク・クーレンカンプの
独奏、カール・ベーム指揮のベルリン・フィルにより
全世界に向けて短波放送で流された。

現在ではこの曲は、シューマンの晩年の
重要な作品であるばかりでなく、ロマン派の
貴重なヴァイオリン協奏曲の一つに数えられている。

   第1楽章 In kräftigen, nicht zu schnellem tempo
   第2楽章 Langsam
   第3楽章 Lebhaft doch nicht schnell
         


(ヴァイオリン)パトリシア・コバチンスカヤ
(管弦楽)   ケルン西ドイツ放送管弦楽団
(指揮)    ハインツ・ホリガー    
          ♪ 私が聴いた音源 ♪





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