 【 ヴァイオリン協奏曲 第1番 Op 35 】 シマノフスキ,カロル 〔ポーランド〕 (1882.10.06〜1937.03.29) 54歳
 ショパンが亡くなってから、33年後にウクライナで 生まれたシマノフスキは、低迷していた ポーランド音楽に活を入れ、最終的には自国の 民族様式を確立した近代ポーランド最大の 作曲家として知られている。
当時ロシア帝国の支配下にあったポーランドは、 1095年のロシアの革命騒動を機に、 民族独立の運動を開始し、作家や音楽家、 物理学者のキュリー夫人などがこの動きに加担した。
その年に結成された「若いポーランド」は、 保守的な音楽から脱却して、新しい二十世紀的な ポーランド音楽の創造を目ざしていて、 シマノフスキもメンバーの一人だった。
彼の初期の音楽は、ショパン、スクリャービン、 ブラームス、R・シュトラウスなどの影響がみられるが、 やがてドビュッシーの印象主義を知り、ラヴェルに 傾倒し、その中から個性的な方向を見いだしていった。
ヴァイオリン協奏曲は2曲書いたが、第1番 は 1916年の作品で、同じポーランド人の詩人の タドイ・ミチンスキの詩「五月の夜」を 元に作曲された。
三管編成のオーケストラに、チェレスタ、ピアノ、 2台のハープを要し、壮麗な単一楽章だが、 3つの部で構成されている。 独奏ヴァイオリンの異国情緒溢れる 甘美な響きが魅力的である。
1917年11月1日にワルシャワで初演された。
第1部 Vivace assai 第2部 Vivace scherzando 第3部 Cadenza: Vivace

(ヴァイオリン) ニコラ・ベネデッティ (管弦楽) ロンドン交響楽団 (指揮) ダニエル・ハーディング ♪ 私が聴いた音源 ♪
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