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...... 2023年10月31日 の日記 ......
■ 《 循環形式 》   [ NO. 2023103101-1 ] co

【 ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調 Op. 44 】
        
サン=サーンス,シャルル・カミユ 〔仏〕
(1835.10.09〜1921.12.16) 86歳 心臓病
        

         
サンサーンスはピアノ協奏曲を5曲書いている。
第1番から第3番は、1860年代後半に
作曲しているが、第4番はサン=サーンスの
管弦楽曲の作曲のクライマックスの時期に作られた。

そのころのサンサーンスは、パリのマドレーヌ教会の
オルガニストを務める一方で、1871年には、
歌手のロマン・ビュシーヌと共に国民音楽協会を設立し、
活発な活動を始めていた。

国民音楽協会は、フランスの器楽音楽の発展を
目指すために作られた組織で、会員にはフランク、
ラロ、フォーレなどの著名な作曲家が参加していた。
また、このころはパドルー、コロンヌなどが主催する
オーケストラによるコンサート活動が盛んな時期だった。

「第4番ハ短調」は、楽曲全体の構成が2楽章に
分かれているが、それぞれ楽章がまた
2つと3つの部分に分かれていて、冒頭の主題は
曲全体にわたって形を変えながら様々に現れる。
当時、フランスではフランクやダンディが、
他の国ではドヴォルザークやチャイコフスキーらの
曲に使われた循環形式が用いられていた。

サンサーンス全体を楽想的に統一するために、
循環主題法を用いていて、3つの循環主題は、
れぞれの楽章の主題材料として活用されている。

胸をさすような希望のない悲しみに始まり、熱情的な
諦めの情感を経て、かすかな希望の光りが・・・
最後は気高い精神状態に高められて曲は終わる。

このピアノ協奏曲は、86歳と長寿だった
サン=サーンスが人生半ばの40歳のときに
作曲している。

1875年6月に亡くなったビゼーを偲ぶコンサートで、
名ピアニストだったサン=サーンスのピアノ独奏と
コロンヌの指揮により、その年の10月31日に
パリで初演された。

    第1楽章 Allegro moderato - Allegro vivace
    第2楽章 Allegro vivace - Andante - Allegro



(ピアノ) ジャン・フィリップ・コラール   
(管弦楽) ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)  アンドレ・プレヴィン       
           ♪ 私が聴いた音源 ♪




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