 【 序奏とロンド・カプリッチョーソ Op. 28 】 サン=サーンス,シャルル・カミユ 〔仏〕 (1835.10.09〜1921.12.16) 86歳 心臓病
 サン=サーンスの父親の家系は、ノルマンディの 農家の出身で、ルアンの近くにはサン=サーンスという 小さな町がある。
サン=サーンスは、188年前の10月9日に パリで生まれたが、父親は生後間もなく亡くなり、 母と大伯母から教育を受けた。
大伯母はかなり優れたピアニストで、 サン=サーンスが3歳未満のころに最初の音楽の 手ほどきを行い、3歳のころにはすでにかなり正確に ピアノを弾いたといわれ、5歳で作曲を始めるという 神童ぶりだった。
サン=サーンスは、素晴らしい天分に恵まれた 作曲家であり、優れた技巧を持ったピアニスト、 オルガニストだったが、十九世紀フランスの典型的な 教養人の1人で、自ら詩を書き、劇作もした。
絵画、哲学、天文学などにも造詣が深く、 博学多才で多方面に活躍し、多くの名誉と 勲章を受け、86歳で世を去った。
彼の音楽は古典主義的基調をもち、その様式は あらゆる大家の折衷主義のごときものだっただけに、 大衆性に富み、名演奏家としての数多くの 国外旅行の結果、国際的な大家として知られていた。
しかし、フランクやフォーレのように真にフランス的な ユニークな特性をもたず、その後継者はいない。
「序奏とロンド・カプリッチョーソ」は、サン=サーンスの 25歳の時の作品で、ヴィルトゥオーソ(技巧的に 卓越した演奏家)たちが名人芸的演奏の黄金時代を 築き上げた十九世紀に、最も優れたヴァイオリニストの 1人にあげられる、当時16歳のサラサーテに 捧げるために作曲したものである。
原曲はオーケストラの伴奏だが、後にビゼーが ピアノ伴奏に編曲したり、ドヴュッシーもまたそれを ピアノ連弾に編曲している。
ヴァイオリンの技巧を最もよく発揮し、演奏効果の 大きなこの曲は、小品的魅力に富んだ「ハバネラ」と 共に多くの演奏家、特にヴィルトゥオーゾ型の 演奏家によって演奏会の曲目に加えられている。
高度の技巧を必要とするが、序奏の抒情的な 美しい旋律と、ロンド・カプリッチョーソでの華やかで 情熱的な音楽は、豊かなサン=サーンスの 創造力が示されている名曲である。

(ヴァイオリン)アルテュール・グリュミオー (管弦楽) コンセール・ラムルー管弦楽団 (指揮) ジャン・フルネ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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