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...... 2023年09月17日 の日記 ......
■ 《 最後の室内楽曲 》   [ NO. 2023091701-1 ] ch

【 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op. 163 D. 956 】
       
シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕
(1797.01.31〜1828.11.19) 31歳 チフス
         

            
シューベルトの室内楽作品では、最後の曲となった
「弦楽五重奏曲ハ長調」は、亡くなった年に作曲され、
没後に陽の目を見た室内楽の傑作である。

初演は、死後22年も経った1850年9月17日に
ウィーンの音楽協会の定期演奏会で行なわれた。

シューベルトの家は、父がチェロ、二人の兄が
ヴァイオリン、シューベルトがチェロを弾くという
音楽一家で、弦楽四重奏曲は家族で演奏ができた。

シューベルトは、内気で引っ込み思案な性格だったため、
もっぱら作曲に没頭していれば満足だった。
自分の作品の公開や出版に無頓着だったため、
彼の生前に出版された楽譜は、交響曲はゼロ、
弦楽四重奏曲も19曲のうち1曲だけ、ピアノソナタは
21曲中3曲、600曲以上ある歌曲も187曲だけだった。

シューベルトの友人たちは、音楽の素養豊かな
教養人が多く、友人宅で「シューベルティアーデ
(シューベルトを囲む会)」と題して、音楽会を
頻繁に開いていたので、彼の才能が世に埋もれるのを
惜しみ、亡くなった年の3月に初めての公開演奏会を
開いたのだが、当時、ヨーロッパを熱狂させていた
大バイオリニストのパガニーニがウィーンを訪問中で、
新聞の音楽欄でも取り上げられず、話題にもならなかった。

11月19日に腸チフスで亡くなるまで、華やかな
名声とは無縁の生涯を送ったことになるが、
この最後の年は創作意欲は最大限に発揮され、
多くの重要な作品が生み出された。

これらは彼の死後、シューマンなどに発見され、
今では音楽史上に惨然と輝く傑作との評価を受けている。

     第1楽章 Allegro ma non tanto
     第2楽章 Adagio
     第3楽章 Scherzo presto-Andante sostenuto 
     第4楽章 Allegretto



(チェロ)ハインリヒ・シフ    
(演奏) アルバン・ベルク四重奏団
       ♪ 私が聴いた音源 ♪


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