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...... 2023年09月10日 の日記 ......
■ 《 イギリス音楽 》   [ NO. 2023091001-1 ] o

【 歌劇「ディドとエネアス」】
 
パーセル,ヘンリー 〔英〕
(1659.03.04〜1695.11.21) 36歳



十七世紀後半のイギリス最大の作曲家のパーセルは、
364年前の3月4日にウェストミンスターで生まれ、
9〜10歳のころ王室付属礼拝堂少年聖歌隊の
一員になり、そこで音楽を学んだ。

14歳のとき、変声期を迎えたため聖歌隊を退き、
王室のレガール、オルガン、ヴァージナル、
吹奏楽器の保存、修理、調律の助手に任命された。
当時は、楽器の演奏者と調律者は、
同等の地位に置かれていた。

その後は、王室の宮廷作曲家とともに、オルガン奏者、
劇音楽の作曲家、世俗的な合唱歌曲も作り、
音楽家として名誉ある生活を送った。

1694年メアリー女王の葬儀に際し、彼の
アンセム(英国国教会の宗教音楽)が演奏された。
翌年の11月21日、パーセルは36歳の若さで
輝かしい生涯を閉じ、ウェストミンスター寺院に葬られた。

パーセルの死後、イギリス音楽はイタリア音楽の
侵入に根底からゆすぶられ、ついには自己の姿を
見失うことになった。

パーセルが30歳のときに書いた歌劇
「ディドーとエネアス」は、ローマの詩聖ヴィルギリウスの
叙事詩の12番の詩に詠んだギリシャ神話にもとづく、
トロイの王子の波瀾に富んだ物語をナハム・テイトが
台本を作製し、チェルシーのジョシアス・ブリーストの
寄宿学校のために作曲されたので、
初演はその寄宿学校で父兄を前にして行なわれた。

十七世紀のオペラ史上最も貴重な遺産と
いわれているが、数多い作品の中でも
ひときわ輝かしい名作といわれている。

エネアス は、トロイの王アンキセスと女神アフロディテ
との間に生まれた勇士だが、トロイの王城が敵の手に陥ち
この国の男子は殺され、女子は捕虜となった。

辛うじて逃れたエネアスは、流浪の後北アフリカの
沿岸カルタゴに漂着し、ヂィドと恋に陥るが、
その愛を振り切って流浪の旅に出た。

イタリアのラティウムにたどり着いたエネアスは、
この地の王女の婿となり、ローマを拓くという
物語りだが、この歌劇は、イタリアへと船出をする
エネアスを想いながら自らの命を断った
ディドを慰める合唱で幕がおりる。

   序曲
   第1幕 
     第1場 カルタゴの女王ディドの宮殿の場
     第2場  魔女たちの住む薄暗い不気味な洞窟の中
   第2幕  森の中の狩場
   第3幕  もやってある船の見える波止場の情景

清純・高雅な透明さと、あふれるばかりの
気品にみち、旋律はあくまで優雅でありながら、
劇的表現力に富んでいる。





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