 【 ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 Op. 78 】 ブラームス,ヨハネス〔独〕 (1833.05.07〜1897.04.03) 63歳 肝臓癌
ヨアヒム,ヨーゼフ〔洪〕 (1831.06.28〜1907.08.15) 76歳

十九世紀後半のドイツ最大のヴァイオリニストの ヨアヒムは、ハンガリーのプレスブルク近郊の キトゼーで生まれ116年前の8月15日に ベルリンで76年の生涯を閉じた。
7歳でデビューし、12歳のときにメンデルスゾーンの ピアノ伴奏で演奏会も開いている。 しかし、同じハンガリー生まれで、20歳年上の リストには好まれなかった。
彼の演奏は、最良の古典的なものに裏付けされ、 威厳のある平静さを保った傷のない技巧をもっていた。 ヨアヒム弦楽四重奏団を組織し、古典時代の作品の 演奏にすぐれ、次代のドイツのヴァイオリニストに 大きな影響を与えた。
ブラームスは、40歳を過ぎて初めて ヴァイオリン・ソナタを出版したが、第1番と 呼ばれているこの曲以前にも数曲書いている。
しかし、3つのヴァイオリン・ソナタしか残してなくて、 モーツァルトやベートーベンと比べると、その数は 非常に少ないが質の上では先輩の曲に劣らなくて、 ロマン派のヴァイオリン・ソナタのなかの 最高傑作に属している。
この曲には「雨の歌のソナタ」という副題が ついているが、彼の歌曲「雨の歌」の旋律が 第3楽章の冒頭に使われていることからきている。 それも、全曲を通して夏の雨の気分が感じられる。
彼は44歳から3年間、毎夏を生地のオーストリアの ヴェルター湖畔にあるペルチャッハで過ごしたが、 夏も涼しく風光明媚なその場所で作られた作品は、 どれもそこの景色を想わせるように、 爽快で優雅で気品に富んでいる。
私的な初演が行なわれたのも1879年の夏で、 ブラームスのピアノとヨアヒムのヴァイオリンで 行なわれたが、聴き手にはシューマンの 妻クララもいた。
第1楽章 Vivace ma non troppo 第2楽章 Adagio 第3楽章 Allegro molto moderato

(ヴァイオリン)オレグ・カガン (ピアノ) スヴャトスラフ・リヒテル ♪ 私が聴いた音源 ♪
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