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...... 2023年05月17日 の日記 ......
■ 《 見事な管弦楽法 》   [ NO. 2023051701-1 ] or

【 交響詩「魔法使いの弟子」】
       
デュカス,ポール 〔仏〕
(1865.10.01〜1935.05.17) 69歳
       

            
ヂュカスはパリでユダヤ人の家庭に生まれた。
14歳から独学で音楽を始め、17歳でパリ音楽院に
入学し、卒業後は同音楽院とエコール・ノルマンの
両校で教鞭をとりつつ、作曲活動をおこなった。

常に完璧な作品を目指していたデュカスは、
極度に厳しい自己批評のために、作品の完成に
長時間を要し、多くの曲が未完成、未発表に
終わっていて、わずか13曲の作品が出版、
演奏されたに過ぎない。

晩年、多数の未完成曲と未発表曲は破棄したが、
彼は大家として認められ、死の前年に
フランス学士院の会員に選ばれた。
しかし翌年の5月17日に世を去った。

デュカスの作品は構成的、論理的な独自の様式を
もっていたが、「魔法使いの弟子」はドイツの文豪の
ゲーテの同名の詩を、見事な管弦楽法であらわした
交響詩で、この一作で一躍その名を高めた。

着想の面白さと、管弦楽の巧みな色彩的な用法が
大きな魅力のひとつとなっているこの曲は、
近代フランスの管弦楽中、最もしばしば演奏会の
プログラムを賑わしていて、古今の交響詩の中でも
屈指の名作である。

ライン川の上流の、とある険しい崖の上に
魔法使いの住む城があり、フンボルトという名の、
なまけもので少々にぶい少年が、弟子として
住み込んでいました。
ある日、魔法使いは弟子に水を汲んでおけと命じて
出かけて行きました。
なまけものの弟子は、側にあったほうきに
見よう見まねで呪文をかけ、水汲みを命じたところ、
見事に成功しほうきはバケツで水を運び始めたのです。
ふと気がつくと、ほうきは次から次へと水を汲んできて、
部屋は水だらけになってしまいましたが、
止まれと命令する呪文が出てきません。さあ、大変!
慌てふためいた弟子が、オノをほうきにぶつけると、
命中して、まっぷたつになりました。
やれやれ助かった、と思う間もなく、二つになった
ほうきはそれぞれに水を汲み始め、部屋を溢れた水は、
廊下や階段を伝わって城中に広がってゆきます。
それでもほうきは、なおも水を運んでくる・・・
弟子が悲鳴をあげた丁度そのときに、
魔法使いが城に帰ってきて、
「ほうきよもとの姿に還れ、水よ消えよ」
魔法使いが呪文を解いて、城はやっと平常に
もどりました。



(管弦楽)オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮) マリス・ヤンソンス       
          ♪ 私が聴いた音源 ♪




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