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|  【 われ死者の復活を待ち望む 】
 
 メシアン,オリヴィエ 〔仏〕
 (1908.12.10〜1992.04.27)  84歳
 
 
  
 メシアンの父は、文芸学者であり、シェークスピア物の
 フランス翻訳者として知られ、大学の教授だった。
 母は女流詩人で、メシアンは芸術的資質を母親から、
 学究的考証的資質を父から受け継いだ。
 
 彼自身もパリ音楽院の教授として教えながら、
 多くの作品を残したが、カトリック信者であり
 神秘的主義者のメシアンにとって、音楽とは
 神に対する讃美であった。
 
 彼は27歳のときにヴァイオリニストの
 クレール・デルボスと結婚したが
 「トゥーランガリーラ交響曲」を作曲していたときに
 女流名ピアニストのイヴォンヌ・ロリオとの
 不倫の恋があり、彼女とは後に再婚した。
 
 晩年はカトリシズム、官能性、鳥の声を総合した
 作品を書き、前衛的ながらもうっとりするほど
 美しい響きの曲を残し、1992年の4月27日に
 84歳で天に昇った。
 
 カトリシズム=キリストの神性を絶対的なものと
 認め、信仰の起点とする。
 
 1964年に作曲した「われ死者の復活を待ち望む」は、
 当時フランスの文化大臣を務めていた
 アンドレ・マルローの依頼により作曲した。
 
 二つの世界大戦で犠牲になった人々への
 祈りの気持ちが込められた作品で、
 野外や丘の上でも演奏できるよう、木管、金管、
 金属打楽器のオーケストラのために書かれている。
 全曲は5つの部分からなり、おのおのの部分には、
 それぞれ聖書からの語句が引用されている。
 
 1、「主よ、わたしは深い淵よりあなたを呼ぶ
 主よ、どうかわが声をお聞きください!」
 2、「キリストは、死者のなかからよみがえられて、
 もはや死ぬことがなく、死ももはや
 彼を支配し ない」
 3、「死んだ人たちが、神の声を聞くときがくる」
 4、「彼らは、新しい名とともによみがえる栄光を
 持つだろう。・・・星のよろこばしき合唱と
 神の子たちの歓喜のうちの」
 5、「わたしはまた、大群衆の声を聞いた・・・」
 
 
  
 (管弦楽)リーヴランド管弦楽団
 (指揮) ピエール・ブーレーズ
 ♪ 私が聴いた音源 ♪
 
 
 
 
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