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...... 2023年03月07日 の日記 ......
■ 《 巧妙なオーケストレーション 》   [ NO. 2023030701-1 ] s

【 逝ける王女のためのパヴァーヌ 】
        
ラヴェル,モリス・ジョセフ 〔仏〕
(1875.03.07〜1937.12.28) 62歳
          

             
ラヴェルは、スイス人技師の父とスペイン国境に
近いピレネー山地のバスク地方のシブールに
住んでいたスペイン人の母との間に、148年前の
3月7日に長男として生まれたが、
3ヶ月後にはパリに移り定住した。

父ピエールは発動機工業の先駆者のひとりであり、
2行程過給エンシンの発明者として
著名な存在であった。

3年後に弟が生まれ、若いころから音楽を
愛好していた父は2人の息子を音楽家に
育てたいと望んだ。
しかし、音楽の道に進んだのは兄のラヴェルだけで、
パリ音楽院で学んだ。

「 逝ける王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルの
9番目の作品で、1899年にピアノ曲として作曲し、
1910年にラヴェル自身により管弦楽曲として、
編曲された。

ピアノ曲はパリ音楽院在学中に作曲した初期を
代表する傑作で、ルーブル美術館にある17世紀
スペインの宮廷画家のベラスケスが描いた
マルガリータ王女の「若い姫君」の肖像画に
霊感をえて書かれたといわれるが、ラヴェルは、
フランス語で韻を踏む言葉遊びをしたようだ。

フランス人の趣味に訴える感動的な優しさと
感傷と悩ましさをもっていて、典雅で、荘重な
パヴァーヌ舞曲のピアノ曲は、魅力ある
クラシックとして、多くのピアニストのレパートリーに
加えられ、成功した曲だったが、シャブリエの
影響が大きく、ラヴェルは満足してなかった。

しかし、オーケストレーションされたことで、
原曲よりも一歩進んだ純芸術的な価値を示し、
オーケストレーションの巧妙さによって、
彼の才能の豊かさを証明することになった。

18年後に作曲した「ボレロ」の組み立てを
暗示させるところが多くある。
スペインの民族音楽の色彩的官能美にひかれたことも
ラヴェルの創作の土台となっていて、彼の作品は
色彩豊かな表現の世界を作り上げている。

パヴァーヌは、16世紀から17世紀にかけて
ヨーロッパの宮廷で普及していた舞踊だが。
この曲は「昔、スペインの宮廷で小さな王女が
踊ったようなパヴァーヌ」だとしている。



(ピアノ)パスカル・ロジェ
     ♪ 私が聴いた音源 ♪



(管弦楽)ソビエト国立交響楽団    
(指揮) エフゲニー・スヴェトラーノフ
       ♪ 私が聴いた音源 ♪




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