 【 連作交響詩「わが祖国」】 スメタナ,ベドジフ 〔チェコ〕 (1824.03.02〜1884.05.12) 60歳 精神錯乱
 熱烈な民族主義者で、チェコの国民音楽の 基礎を築いたスメタナは、199年前の3月2日に リトミシェルの城付のビール醸造人で、 音楽好きだった父と、領主の御者の娘だった 母との間の長男として生まれた。
早くから楽才をあらわして、6歳のときには 公開演奏会でピアノを弾き、8歳で作曲を試みている。 彼の作品は、民族的精神が深く根ざした歌劇と 交響詩が有名だが、スメタナ以後のドヴォルザーク、 その他のチェコ音楽に比べ、激しく攻撃的で それが迫力となっている。
50歳のときに聴覚を失い隠退し、経済的安定も失い、 暗い生活の中にも、燃え続ける創作意欲にかられて、 1874年から79年の6年間にわたって 書きあげたのが、連作交響詩「わが祖国」である。
チェコの歴史や自然をテーマに、祖国の栄光と 没落を描いた一連6曲の交響詩から出来ていて、 全曲は亡くなる前年の1883年に発表した。
第1番 「ヴィシェフラド=高い城」
モルダウ川の東岸のほとりにそそり建つ プラハ南部 の古城、最古の王朝があったところで、 古城にまつ わる栄枯盛衰の歴史が描かれている。
第2番 「モルダウ」
6曲の中で最も有名な曲で、 雄大なモルダウ河を題材にしている。 この曲はプラーグ市に捧げられた。
第3番 「シャルカ」
女戦士シャルカの物語りを題材にした作品。
第4番 「ボヘミアの牧場と森から」
祖国の風景を感情豊かに描いていて、ボヘミアの 美 しい田園と、そこに暮らす農民の喜びを描いた 明るく愉しい音楽で、巧妙な管弦楽法が展開する。
第5番 「ターボル」
チェコの歴史の上で忘れることのできない ボヘミア 戦争で、チェコ国民の民族意識と 国民意識を高めたフス教徒の革命を扱っている。 ターボルは南ボヘミアの町の名前。
第6番 「プラニーク」
フス教徒が集まった山の名前で、フス教徒の 賛美歌 「汝らは神の戦士たれ」は、 第5番と共通の主題として使われている。
 (管弦楽)チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) ラファエル・クーベリック ♪ 私が聴いた音源 ♪
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