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...... 2023年01月21日 の日記 ......
■ 《 痛ましい生涯 》   [ NO. 2023012101-1 ] v

【 歌曲「旅へのいざない」】
        
デュパルク,アンリ 〔仏〕
(1848.01.21〜1933.02.12) 85歳
         

             
フランス後期ロマン派の作曲家のデュパルクは,
175年前の1月21日にパリで生まれた。

フォーレと並び、フランスの近代歌曲の
名曲を残した作曲家だが、37歳のときに奇妙な
神経病に冒されて、創作活動ができなくなった。

その後、48年間外界との一切の交渉を絶って
スイスの山中に引きこもり、85年の生涯を閉じた。

彼は、数多いフランクの弟子の中でも、
最も早くから師事していた。
中学生のころからフランクにピアノを習い、
最初の作曲の弟子の一人にあたる。

作品は交響詩やたくさんの歌曲を作曲したが、
厳しい自己批判の結果、わずか16曲を残して、
他は全て破棄してしまった。

精選された16曲の歌曲は、甘美な流麗さ、
激しい感情の起伏、哀切の情など、あらゆる表現を
網羅していて、フランスの近代歌曲の形成のために、
かけがえのないものとなっている。

1870年の作品の「旅へのいざない」は、
ボードレールの官能的な詩に洗練された
優雅さをもってメロディーをつけたもので、
フランスのロマン派音楽の一つの精華ともいえる。



旅へのいざない

わが子よ、わが妹よ、
その楽しさを想ってもごらん、
そこに行って共に住み、
のどかに愛し、
愛してまた死のう、
おまえにも似たあの国へ行って。

うるんだ太陽は曇ったそらにかかり、
涙を通して輝くおまえの裏切りの
眼にも似た神秘の魅力を、
私の心にさしかける。

そこでは、ものみな秩序と美、贅沢、静けさ、
また快楽でないものはない

ごらん、あの入り江に眠っている船を。
その船の天性が放浪。
おまえのささやかな願いをかなえさせようと、
地の果てからやってきたのだ。

落日は野や入り江や村全体を、
紫と金色に染め上げている。
世界は灼熱の光のうちに、
眠りにおちようとしているのだ。



(バリトン)ジェラール・スゼー   
(ピアノ) ダルトン・ボールドウィン
       ♪ 私が聴いた音源 ♪





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