【 交響詩「ローマの松」P. 141 】 レスピーギ,オットリーノ 〔伊〕 (1879.07.09〜1936.04.18) 57歳 心臓病
類い稀なるオーケストレーションの名人として 知られているレスピーギの音楽は、師の リムスキー=コルサコフが鮮やかな水彩画とすれば、 彼は極彩色の油絵に例えられている。
限りなく永遠の都ローマを心から愛し続け、 演奏旅行以外はローマを離れることはなかった。
レスピーギの創作期の頂点に作曲した交響詩の 代表作である“ローマ3部作”の「ローマの噴水」 「ローマの松」「ローマの祭」は、古風な旋法を曲に 取り入れ、古代イタリアの栄光を音楽に再現している。
45歳のときに書かれた「ローマの松」は、ローマにある 著名な4種の松を扱っているが、グレゴリア聖歌に 関心をよせていたレスピーギは、古い教会旋法を 好んで使い、古い時代への郷愁と過去への幻想が 効果的に生かされるように作曲している。
第1部 「ボルゲーゼ荘の松」 第2部 「カタコンブ付近の松」 第3部 「ジャニコロの松」 第4部 「アッピア街道の松」
1924年12月14日にローマのアウグステド楽堂で 初演された。
「私は記憶と幻想を呼び起こすために出発点として 自然を用いた。きわめて特徴をおびてローマの風景を 支配している何世紀にもわたる樹木は、 ローマの生活での主要な事件の証人となっている」
1926年1月にレスピーギが指揮者としてこの曲を 演奏するにあたり、プログラムに書いたものである。
(管弦楽)ボストン交響楽団 (指揮) 小澤征爾 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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