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...... 2022年11月19日 の日記 ......
■ 《 死の前年の作品 》   [ NO. 2022111901-1 ] s

【 即興曲 Op. 90 第2番 変ホ長調 】
          
シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕
(1797.1.31〜1828.11.19) 31歳 チフス
             

                       
シューベルトの生涯はあまりにも短かかった。
1828年秋、兄の家に転居していた。
10月初旬、兄と共にアイゼンシュタットの
ハイドンの墓に詣でている。

10月31日「赤十字」で会食したが、魚料理一切れ
を口にしたのみで後は食べられず、これが
最後の食事となった。

11月3日、教会で兄フェルディナントの「鎮魂歌」
を聴いたが、その後病床につく。

11月4日、ゼヒターについて対位法の勉強を始めた
が、授業はこの一回で最後となる。

11月16日、チフスと診断される。

11月19日午後3時、31歳10ヶ月の短い生涯を
終え永い眠りについた。
「ここで終わりだ・・・」と言い残して・・・

シューベルトの作品は、人の心の自然な思いが、
素直に流れ出たロマンティックなもので、
なんの気取りもなく、あまりに純粋なので、
理屈抜きに聴き手は胸にじんとくる。
健康的で、ひねくれたところのない音楽なのだ。

亡くなる前年の1827年に作曲したと推察される
ピアノ曲の「即興曲」は、作品90に含まれる4曲と、
作品142の4曲、あわせて8曲ある。

シューベルトは天性歌う人であった。
器楽曲においても、流麗な旋律、自由な和声、
無限の転調、常に彼は歌った。    

即興曲の中でも最も愛されている
「作品90 変ホ長調」は、三部形式で書かれていて、
三連音の音階走句の鮮やかな流れが
鍵盤の上を走り回る。
中間部は清純で明るい旋律が美しく歌われ、
主題が再び現れてコーダに入る。



(ピアノ)エドウィン・フィッシャー
       ♪ 私が聴いた音源 ♪
  



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