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...... 2022年10月19日 の日記 ......
■ 《 秋の唱歌 》   [ NO. 2022101901-1 ] v

【 唱歌「旅愁」】
      
オードウェイ,ジョン・P 〔米〕
(1824〜1880) 56歳
        
犬童球渓 〔日〕
(1879.03.20〜1943.10.19) 64歳
           

                
詩人、作詞家、教育者だった犬童球渓は、
明治12年に熊本県球磨郡(現・人吉市)の
農家の次男に生まれた、

東京音楽学校を卒業後、兵庫県の中学校の
国語と音楽の教師となったが、翌年には
新潟県県立新潟高等女学校(現・新潟中央高校)に
転任した。

その赴任中に作詞をした曲が「旅愁」である。
アメリカのオードウェイが作詞・作曲した
“Dreaming of Home and Mother”
「家と母を夢見て」を原詩とは異なる日本人の
心情に合わせて創作したもので、他にも
多くの外国の歌曲を翻訳作詞を残している。

晩年は、座骨神経痛、胃下垂、便秘、神経衰弱を
病んで病床に臥すようになり、昭和18年10月19日に
自宅裏山のクスノキにロープを掛け、自ら命を絶った。

唱歌「旅愁」は、明治40年8月に「中等教育唱歌集」に
取り上げられ、12月号の「音楽新報」の掲載された。



旅愁

更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに 一人悩む
恋しやふるさと なつかし父母
夢路にたどるは 故郷の家路
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに 一人悩む

窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遙けき彼方に こころ迷う
恋しやふるさと なつかし父母
思いに浮かぶは 杜のこずえ
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遙けき彼方に こころ迷う



家と母を夢見て

夢にみるはわが懐かしの家よ
母と過ごした幼き日々よ
目覚めしときにしばしば甘き思い
家と母を夢みてきたのだった
わが幼きとき懐かしの幸福な家よ
妹や弟と遊んだあのとき
漂白のときの甘き喜びだった
丘のむこう谷をこえて母が見える

夢にみるはわが懐かしの家よ
母と過ごした幼き日々よ
目覚めしときにしばしば甘き思い
家と母を夢みてきたのだった

眠りさわやかに目を閉じれば
いつも母の姿が思い出される
ほら!母の声が聞こえるようだ
ああ、夢の中の家よ母よ
天使が来る憩いのひととき
私にはわかる天使の訪れが
祝福あれと天使は祈るのだ
はっきりと家と母が見える

子どものころが再び思い出される
眠ると愛しの母に会える
私のそばに座るやさしい母に
夢路ではずっと家と母に会える
愛しの母が今の私に囁きかける
妹や弟や弟のことを教えて欲しい
いま額にその手を感じる
ああ、夢の中の家よ母よ




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