[PREV] [NEXT]
...... 2022年08月26日 の日記 ......
■ 《 ヴァリアント 》   [ NO. 2022082601-1 ] or

【「富める人とラザロ」の5つの異版 】
    
ヴォーン=ウィリアムズ,レイフ(ラルフ)〔英〕
(1872.10.12〜1958.08.26) 85歳
        

         
エルガーやホルストらとともに、近現代のイギリス音楽を
代表する作曲家のレイフ・ヴォーン=ウィリアムズは、
“英国らしさ”を感じさせる人物で、最近になって
英国の文化やライフスタイルが注目を集め、
その音楽にも愛好家が増えてきた。

父は貴族階級、母は名門ウェッジウッド家
(高級陶器のウェッジウッド)という絵に描いたような
英国の上流家庭に生まれたヴォーン・ウィリアムズは、
最初はヴァイオリニストを目指したが、
王立音楽大学で作曲家に転向した。

ホルストらとともに民謡採譜のため英国内をくまなく
回り、英国の教会音楽や賛美歌を書物にまとめる
仕事にも携わって、自国の伝統音楽をしっかりと学んだ。
一方、ドイツ・ロマン派の作曲家ブルッフや、ラヴェルにも
教えを請い、様々な作曲技法を身に付けた。

64年前の8月26日ロンドンの自邸で、心臓発作のため
85年の生涯を閉じたが、創作活動は亡くなる直前まで
続けられ、その威厳ある音楽と人間性で
“グランド・オールド・マン(偉大なる老人)”と呼ばれ、
多くのファンに愛された晩年だった。

ヴォーン=ウィリアムズは、各地で採集した民謡を、
自らの曲の素材として用いた。

「富める人とラザロ」の5つの異版(ヴァリアント)は
ハープと弦楽合奏のための作品で、新約聖書の
ルカによる福音書に書かれた物語を基にしている。

16世紀ごろから歌われているイギリスの古い民謡の
旋律だが、この民謡からは様々なタイトルや
歌詞が生まれ、曲も変形されながら、
イギリス各地に伝わっていった。

ヴォーン=ウィリアムズはスコットランドや
アイルランドを含め、各地で歌われるこの曲の異なった
様々な歌い方で歌われる異版を収集した。

そして、その内の5つを用いて1939年に書いた。
この曲には、作曲者の創意もかなり含まれることを
ヴォーン=ウィリアムズ自身も述べている。
主題と5つの変奏部分を持つ変奏曲の1つともいえる。



(管弦楽)ニュー・クイーンズホール管弦楽団
(指揮) バリー・ワーズワース      
          ♪ 私が聴いた音源 ♪




...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: