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...... 2022年04月27日 の日記 ......
■ 《 神秘主義 》   [ NO. 2022042701-1 ] sy

【 交響曲 第4番 作品54「法悦の詩」】
      
スクリャービン,アレクサンドル
        ・ニコライエヴィチ〔露〕
(1872.01.10〜1915.04.27) 43歳 敗血症
         

          
十九世紀末から二十世紀初めに活躍した
スクリャビンは法律家を父に、ピアニストを母に、
モスクワで生まれたが、生後間もなく母が亡くなり、
叔母に育てられ、ピアノの手ほどきを受けた。

ショパンの影響をうけ、ピアニストとして活躍したが、
後にワーグナーやリストの影響も受け
神秘主義哲学にひかれていった。
そして、宗教と哲学の混合体である神智学への
傾倒、さらにニーチェの超人主義の影響をも
受けるようになった。

43歳のときに、唇への虫刺されが炎症を起こし、
悪性腫瘍となりそれが悪化し敗血症になり、
107年前の4月27日にモスクワで急死した。

交響曲は5曲作曲したが、それぞれ標題を
もっていて、35歳のときの作品の第4番「法悦の詩」は、
人間の神格化、創造的行為における喜悦といった
モットーに対する作曲者の神秘主義的傾向が
よく現われている。

スクリャビンは、音楽がたんなる形式の遊戯や
感情の表現であることに満足しなかった。
彼の音楽は誇大妄想的ともとられるが、
技法的にみると、和声に大胆な変革をおこない、
和声機能をはなれた和音の使用、色彩的な
オーケストレーション、さまざまな音型の細分化した
使用等によって印象派風の感覚もかもしだしている。

“音楽とは単なる娯楽ではなく、世界の背後に
存在する神の智恵の表れである。
だからこれを使って人々を法悦の境地へ導き、
神との合一を経験させ、通常の人間を超越した
存在へと解脱させることができる・・・”

序奏とコーダを有する膨大な単一楽章で
ソナタ形式の音楽は、調整的にはハ長調が
基調だが、神秘和音と呼ばれる独特の和音が
しばしば出現して、この作品の夢幻性と神秘性、
陶酔感がよくあらわれている。



(管弦楽)シカゴ交響楽団   
(指揮) ピエール・ブーレーズ
     ♪ 私が聴いた音源 ♪





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