【 交響詩「タマーラ」】 バラキレフ,ミリー・アレクセイエヴィチ〔露〕 (1837.01.02〜1910.05.29) 73歳《 コーカサス風 》
「ロシア国民音楽の父」といわれていたグリンカが、 才能を高く評価していたバラキレフは、キュイ、 ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ、ボロディンと 共に形成した〈ロシア5人組〉(力強い仲間)の 指導者として、ロシア国民主義音楽を大成させた 功績は極めて大きい。
彼は上流社会の生まれで、無料の音楽学校を 創設したり、ペテルブルクの宮廷礼拝堂の 楽長をつとめたりした。
バラキレフは、コーカサス地方の民族音楽の 研究でも知られているが、コーカサスに流刑された レルモントフの詩を愛していた。 彼の詩に作曲したものが「タマーラ」で、 東方的内容と夢幻的性格は、千夜一夜物語と 共通したものを感じさせる。
1883年3月6日にバラキレフの指揮により サンクトペテルブルクで初演された。
コーカサス風の旋律を用い、熱狂的なグルジア舞曲の レズギンカも繰り広げられる作品だが、 リストの交響詩に傾倒していたバラキレフは、 リスト風の壮大な交響詩をめざしていて、この曲は 深い尊敬の念をこめてリストに捧げられた。
旅人たちと、天使のように美しくもまた邪な 悪魔のような女王タマーラとの一夜が明けると、 死骸となって涙とともに運ばれてゆく・・・ コーカサスの昔話を題材とした詩である。
(管弦楽)ソビエト国立管弦楽団 (指揮) エフゲニー・スヴェトラーノフ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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