【 スペイン歌曲集 】
ヴォルフ,フーゴー 〔墺〕
（1860.3.13〜1903.2.22） 42歳 神経障害
ヴォルフは１８歳のころ最初の霊感の噴出をおぼえ、
歌曲の作曲を始めたが、その後、ウィーンの週刊紙の
音楽批評を担当し、深い造詣と毒舌にあふれた
鋭い批評を書き続け、ウィーン楽界の話題の的となった。
２８歳のころ、再び天才の噴出が始まり、
霊感は止まることを知らず、多くの歌曲が生まれた。
しかし、３１歳の終わりころ不意に
霊感を感じなくなってしまった。
約２年後には不毛の苦しみと、失意から抜け出す
ことができ、作曲は続けられたが、３７歳のころから
ヴォルフの神経は正常さを失い始めていた。
脳卒中の前兆が明らかになり、彼は様々な奇行や、
言動により友人たちを驚かせるようになった。
医者の命令で精神病院に収容されたが、
４ヶ月後には退院・・・翌年に発作が再発し、
再び脳病院に収容・・・
自ら湖に投身自殺を計ったが未遂に終わった。
１１９年前の２月２２日に狂気のまま
ウィーンで４２年の生涯を閉じた。
彼の遺体はウィーンの中央墓地に、彼の尊敬した
ベートーベンとシューベルトの傍らに葬られた。
ヴォルフの作品は数百曲に達する歌曲がほとんどで、
他にはオペラ「お代官様」と、弦楽四重奏のための
「イタリア・セレナード」が今日まで生命を
保っているにすぎない。
「スペイン歌曲集」は種々雑多な、有名無名詩人の
作品を編集した「スペイン詩集」の中から
４４編の詩を選んで書かれた。
宗教的歌曲１０曲と、恋を歌った世俗歌曲
３４曲からなっている。
宗教的歌曲の第１巻の３曲目の「歩めマリア」は
ベツレヘムへと向かうヨーゼフとマリアの姿を
暗示していて、限りない人間の愛情の純粋さ、
深さに触れてくる曲で、多く歌われている。
歩めマリア
さあ元気をだしてお歩き、マリア
もう夜明けの鶏が鳴いたし、行先はもう近い
さあ歩いておくれ、いとしい人よ。
もうすぐにベツレヘムに着けるのだ
そこにゆけば、おまえはゆっくり休めるよ
元気をおだし
おまえのお産がすんだ時は、いいものをあげよう
小さなロバを
第３曲（編曲：H.アルブレヒト）
（バリトン）ミヒャエル・フォッレ
（オルガン）ペーター・ケフラー
♪ 私が聴いた音源 ♪
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