 【 イギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」】 ディーリアス,フレデリク 〔英〕 (1862.01.29~1934.06.10) 72歳
 エルガーに次いで著名なイギリスの大作曲家の ディーリアスは、160年前の1月29日に ブラッドフォードで生まれた。 両親はドイツ人だったが、彼はイギリス人として 一生をおくった。
家業(毛皮商)のため、両親から音楽の勉強は 強く反対されていたが、ロマンティックな性格の彼は 家業を嫌って渡米し、フロリダの片田舎で オレンジの栽培を始めた。
その折、当地で知り合ったオルガニストから 和声学と対位法を学ぶうちに、音楽家になる決心をし、 女学校の音楽教師になり、後にニューヨークで オルガニストを本業にしてしまったので、 父親もついに折れて、ディーリアスをライプチヒの 音楽院で学ばせた。
26歳のときに、裕福な伯父の援助により、 パリで作曲家生活に入った。 画家のゴーギャンや戯曲家のストリンドペリーと 親しくなったのはそのころだった。
ドイツの女流画家エルカ・ローゼンと結婚したのは、 35歳のときで、パリを永住の地とした。 60歳のころから麻痺に冒され、3年後には 失明したが、作曲活動は続けた。 亡くなる前年に最後の作品を完成し、 72年の生涯を閉じた。
歌劇、合唱とオーケストラ曲、協奏曲など多くの 作品を書いたが、生涯の後半をフランスで過ごしたにも かかわらず、フランスでは評価されなかった。 最初に認められたのはドイツでのことだった。
生来詩人肌の純粋なロマンティストで、 引っ込みがちな性質の彼の音楽は、夢見るような、 静かな、しかし豊かな美しさをたたえた 情緒のあるものだった。
45歳のときの作品「ブリッグの定期市」は、 古い民謡の「定期市」をテーマにした変奏曲で、 もの静かなデリケートな曲で、詩的な狂想曲である。

(管弦楽)BBC交響楽団 (指揮) アンドリュー・デービス ♪ 私が聴いた音源 ♪
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