 【 ピアノ協奏曲 第9番 変ホ長調 K. 271 】 モーツァルト,ヴォルフガング・アマデウス〔墺〕 (1756.01.27〜1791.12.05) 35歳
 古典派のピアノ協奏曲は、モーツァルトによって 完成されたといってもよく、彼は11歳という若さで、 他の作曲家のソナタなどを、協奏曲に編曲することから この分野の活動を始めた。 それは、死の1791年まで続けられ、 27曲に及ぶ作品を生み出している。
1777年の秋から、母親と2人で仕事を求めて パリに出かけたが、「ピアノ協奏曲第9番」は、 この年21歳の1月に作曲している。
たまたまモーツァルトの住んでいるザルツブルグに 立ち寄った、フランスの若い女流ピアニスト、 ジュノム嬢のために作られたので、 「ジュノム協奏曲」とも呼ばれる。
当時の協奏曲では、はじめ管弦楽だけが主題を 呈示して、さらにピアノが同じように新しい主題を加え、 管弦楽とともにあらためて呈示するのが慣例で、 ピアノ独奏が冒頭に現れることはほとんどなかった。
ところがこの曲では、管弦楽の総奏に答えて ピアノ独奏が現れる。 しかし、これ以後の作品では同じ方法を試みていないので、 単なる気まぐれな着想だったのかもしれない。
ジュノム嬢の影響なのか、パリ風な作品がもつ 悲愴な感じはさらに深い、情熱的ないっそう悲しみを たたえた、いちだんと高い境地にまで彼を追い上げている。 様式的にみて、簡潔で厳格なこの曲は、抒情的な 内容を加えることにより、ゆたかなものとなって いるといわれている。
第1楽章 Allegro 第2楽章 Andantino 第3楽章 Rondo: Presto

(ピアノ)アンネローゼ・シュミット (管弦楽)ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) クルト・マズア ♪ 私が聴いた音源 ♪
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