【 オペラ「エレクトラ」Op. 58 】 リヒャルト・シュトラウス,ゲオルク〔独〕 (1864.06.11〜1949.09.08) 85歳 心臓病
R.シュトラウスは、1905年に発表した 「サロメ」で、ワーグナーの後継者として 自他共に認められた。 成功で得た莫大な収入でミュンヘンに山荘を建て、 世を去るまでの40年間そこで創作活動を続けた。
一幕の悲劇「エレクトラ」は、1909年1月25日に ドレスデンの宮廷歌劇場で初演された。
アガメムノン王とクルテムネストラの娘エレクトラが 弟と一緒に父の仇を討つという物語りだが、 敵討ちの相手が母親とその不倫相手という 異色なものである。
音楽は、不協和音を効果的に用いて、劇的な迫力、 恐怖の気分、復讐の情熱を巧みに表現してゆく。 和声的にも無調性がしばしばとられている。
しかし、その中にシュトラウス独特の 甘い感傷性がときとして現われる。 管弦楽法も色彩的で、劇をすすめるのに 大きな役割を果たしている。 合唱は重視されてない。
この「エレクトラ」でワーグナー風な劇の 凝縮したものに達し、その後また新しい 境地へと進んでいった。
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