 【 ヴァイオリン・ソナタ ト長調 】 ルクー,ギョーム 〔ベルギー〕 (1870.1.20~1894.1.21) 24歳 腸チフス
 152年前の1月20日にヴェルヴィエ近くの ユージイで生まれたルクーは、その24年後の 1月21日にアンジェールで短い生涯を閉じた。
ルクーは、同じベルギー人のフランクに才能を 認められ、大いに眼をかけられた。 パリで、その弟子であるダンディに学んだが、 1890年にフランクが没したときは、ダンディー からフランクの後継者とみられたほどだった。
21歳のときにブリュッセルでカンタータ 「アンドロメダ」でベルギーにおける ローマ大賞2位を得た。 24歳の若さで世を去った彼の作品には、 円熟した味は乏しいが、叙情的な幻想に あふれた作風によって際立っている。
彼の作風を代表する作品の 「ヴァイオリン・ソナタ ト長調」は、 大ヴァイオリニストのイザイの委嘱を受け 1992年に作曲され、イザイに捧げられた。 唯一の「ヴァイオリン・ソナタ」である。
初演は1893年3月7日にブリュッセルで イザイとロワーヌ夫人によって行われ、 イザイは彼の演奏旅行にこの曲を携えて 欧米各地に紹介し、大好評を博した。
きわめて穏やかな序奏部、活気に満ちた 情熱的な部分と対照をしめして始まる 第1楽章は、春の木漏れ日を想わせる。 8分の7拍子という変わったリズムで始まり、 いろいろな拍子が混合し瞑想的な感じを受ける 第2楽章は、冬の木漏れ日。 第3楽章は夏の輝かしさを想わせる 活気のある終曲。 全楽章の主題は各々心理的に関係があり、 また適当に前楽章の主題回想を行なって、 全体としての有機的な統一を巧みにはかっている。
第1楽章 Très modéré - Vif et passionné 第2楽章 Très lent 第3楽章 Très animé

(ヴァイオリン)アルテュール・グリュミオー (ピアノ) リッカルド・カスタニョーネ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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