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...... 2022年01月21日 の日記 ......
■ 《 18歳のときの作品 》   [ NO. 2022012101-1 ] ch

【 チェロ・ソナタ ヘ長調 】
     
ルクー,ギョーム 〔ベルギー〕
(1870.1.20〜1894.1.21) 24歳 腸チフス
       

           
152年前の1月20日にヴェルヴィエ近くの
ユージイで生まれたルクーは、その24年後の
1月21日にアンジェールで短い生涯を閉じた。

ルクーは、同じベルギー人のフランクに才能を
認められ、大いに眼をかけられた。
パリで、その弟子であるダンディに学んだが、
1890年にフランクが没したときは、ダンディー
からフランクの後継者とみられたほどだった。

21歳のときにブリュッセルでカンタータ
「アンドロメダ」でベルギーにおける
ローマ大賞2位を得た。
24歳の若さで世を去った彼の作品には、
円熟した味は乏しいが、叙情的な幻想に
あふれた作風によって際立っている。

チェロ・ソナタはルクーがフランスの高校に
通っていた1888年18歳のときの作品で、
50分の大曲である。
最後のページは未完のままになっていたが、
彼の死後、ダンディーの補筆により完成された。

スコア表記の上で、ピアノパートに突如ffを要求し、
チェロとの音量バランスをときおり意図的に
崩したりしているが、これがかえって緊張感をもって
聴く者に迫ってくる。
「自分の音楽の中に魂の全てをぶつけた」と語った
ルクーの強烈な個性が感じられる曲である。

チェロが陰鬱な雰囲気の主題を歌い、それが一時は
激情や諦めの雰囲気に姿を変えながらもその奥底には
常に陰鬱な空気が流れている第1楽章。
ベートーベンのソナタでいえば、スケルツォに
あたる第2楽章。
穏やかで物思いに沈んだ雰囲気の第3楽章。
前の3つの楽章を駈け足で回想し、唐突に終わる
第4楽章からなっている。

  第1楽章 Adagio malinconico
  第2楽章 Allegro molto quasi presto
  第3楽章 Lento assai e molto di malinconia
  第4楽章 Epilogue: Allegro assai ed appassionato espressivo



(チェロ) マリオ・ブルネロ   
(ピアノ) アンドレア・ルケシーニ
      ♪ 私が聴いた音源 ♪




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