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...... 2021年12月12日 の日記 ......
■ 《 東洋的幻想曲 》   [ NO. 2021121201-1 ] s

【 イスラメイ 】
     
バラキレフ,ミリー・アレクセイエヴィチ〔露〕
(1837.01.02〜1910.05.29) 73歳
      

       
〈ロシア国民音楽の父〉といわれていたグリンカが、
才能を高く評価していたバラキレフは、
キュイ、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ、
ボロディンと共に形成した〈ロシア5人組〉
(力強い仲間)の指導者として、
ロシア国民主義音楽を大成させた功績は極めて大きい。

彼は上流社会の生まれで、無料の音楽学校を
創設したり、ペテルブルクの宮廷礼拝堂の
楽長をつとめたりした。

1862年の夏、バラキレフは、コーカサス地方に
旅行をし、この地方のトルコ・イスラム系諸民族の
民族音楽に接し、それらが豊富なことに驚くとともに、
それを創作の素材とした作品を生み出した。

「イスラメイ」 は1866年から69年にかけて
作曲したが、同じころに作曲にとりかかり、
1882年に完成した交響詩「タマーラ」が
コーカサス旅行の直接の産物である。

「イスラメイ」はコーカサス山脈の北側の
カバルディノ地方及びアドゥィゲイ地方の速い
民族舞曲で、同じコーカサスのダゲスタン地方の
レスギ人舞曲として知られているレズギンガの
一種で、八分の六拍子ふうのリズムをもっている。

優れたピアニストでもあったバラキレフは、
イスラメイによる絢爛豪華なピアノ曲を作曲して、
東洋的幻想曲と副題をつけた。

技巧的にはリストの影響を思わせるものがあり、
イスラメイの東洋的旋律が奔放なピアニズムの上に
たくみに展開されていく名作である。

三部形式で構成され、ピアノのヴィルトゥオーゾ的
効果が駆使された「イスラメイ」は、ロシアの
国民主義音楽におけるオリエンタリズムの
先駆をなした作品として重要である。

1869年12月12日に作品を献呈した
ニコライ・ルビンシティンにより初演された。



(ピアノ) ウラディミール・ホロビッツ
        ♪ 私が聴いた音源 ♪




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