【 オペラ「サロメ」】
リヒャルト・シュトラウス,ゲオルク〔独〕 (1864.06.11〜1949.09.08) 85歳 心臓病
シュトラウスは、交響詩風の音楽で名をひろめた後、 ワーグナーの影響を受けて、音楽劇の作品を 手掛けるようになった。
数曲書いた後に作曲したのが、全1幕、 第4場からなる「サロメ」だった。 新約聖書マルコ伝に出てくる女が少女サロメだが、 このオペラでは、淫蕩な女として扱われている。
母ヘローディアスは、サロメを連れて ヘローデスの妻となった。 シリアで豪華な生活を送り、快楽と欲望のためには、 道徳も省みないヘローデスは、自分の兄弟の妻だった ヘローディアスを無理矢理めとったうえ、 連れ子のサロメに情欲を感じていた。
管弦楽は、かなり大きな編成をとり、魅惑的で 官能的な響きを出し、前奏曲も間奏曲もなく、 最初から最後まで一貫してワーグナー風に音楽が 流れていて、異様な緊張感も出している。
1905年12月9日、ドレスデンの宮廷歌劇場で 初演され、その後欧米各地の歌劇場で続々と上演されたが、 この劇の筋が不道徳な要素を含んでいるうえに、 官能的で刺激があまりに強いので、いろいろな都市で 何度か上演禁止になったこともあった。
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