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...... 2021年11月27日 の日記 ......
■ 《 左手のみの超絶技巧 》   [ NO. 2021112701-1 ] co

【 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調 】

ラヴェル,モーリス・ジョセフ 〔仏〕
(1875.03.07~1937.12.28) 62歳



この協奏曲は、フランス人が好む文章の1つの
「われわれの豊かさは、われわれが課する制限の
中にある」をよく示す傑作といわれる作品である。

第一次世界大戦中に右腕を失ったオーストリアの
ピアニストのパウル・ウィットゲンシュタインが、
ラヴェルに依頼して作られたものだが、
作曲にあたりラヴェルは、左手だけという
制約をかえって個性を大胆に集約できる
手段として活用し、成功をおさめた。

1931年に着手したが、ラヴェルは1927年頃から
軽度の記憶障害や言語障害に悩まされていた。
1932年にパリでタクシーに乗っているときに
交通事故に遭い、症状は徐々に進行していった。

1931年11月27日にウィーンで、
ウィットゲンシュタインのピアノで初演されたが、
彼は楽譜通りに弾けず、勝手に手を加えて演奏した。
その上ピアノが難技巧過ぎて音楽性がないと
非難したため、二人の関係は険悪となった。

その後1933年1月27日に、ジャック・フェヴリエの
ピアノによりパリで再演されたのが、楽譜通りに
演奏された初めての演奏となった。

大規模な三管編成で、多様な打楽器と
ハープが用いられている。

単一楽章の3部構成になっているが、
全体的に可憐なイメージの1部。
ピアノがジャズ的な演奏をする2部。
ラヴェル独特の精緻な技巧が、左手のみで
超絶的に演奏される第3部からなっている。

            第1部 Lent
            第2部 Andante
            第3部 Allegro



(ピアノ)アルフレッド・コルトー
(管弦楽)パリ音楽院管弦楽団  
(指揮) シャルル・ミュンシュ 
      ♪ 私が聴いた音源 ♪





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