 【 交響曲 第9番 ハ長調 「ザ・グレート」D944 】
シューベルト,フランツ・ペーター 〔墺〕 (1797.1.31〜1828.11.19) 31歳 チフス

「最後の交響曲」は、それぞれの作曲家の作品でも 最高傑作と言われるものが多いが、シューベルトの 「交響曲第8番」は、彼が世を去る9ヶ月前の 3月に書き上げられたと記されたものもあるが、 1826年に完成したとも・・・
この曲は指示通りに演奏すると60分以上の大曲で、 あまりにも大仰でまわりくどいとの評判がたち、 公表されなかったが、死の10年後にシューベルトの 兄のフェルディナントの家でシューマンが楽譜を発見し、 1838年3月21日にメンデルスゾーンの指揮で ライプチヒのゲヴァントハウス演奏会で初演された。
シューベルトが永眠したとき、シューマンは まだ18歳の青年であったが、 その死を知り涙を流して悲しんだという。
率直にいってよいならば、自分はつぎのように言いたい。 すなわちこの交響曲を知らぬ人はまだシューベルトに ついて、ほとんど知らぬ人であり・・・このところに 作曲に熟達せる音楽的技術のほかに生命があり、 最も微妙な濃淡をもあらわす色彩があり、 個々のものに最も精確な表現がある。 そしてこのすべてのものの上に、我々がすでに 彼の作品のいずれにおいても認めるところの、 ロマンティシズムの精神があふれ流れている。 そしてこの交響曲の神々しさ、それはたとえば ジャン・パウルの4巻の長篇小説のように 終わることを知らない・・・ この交響曲はベートーヴェンの後においても まだないとの印象をあたえた。
これは、シューマンが音楽雑誌に書いた 熱烈な賛辞である。
女性的な抒情性よりも、男性的な活気、 未来への希望が強く現われていて、 「未完成交響曲」とならんで、シューベルトの 2大傑作といわれている。
第1楽章 Andante - Allegro ma non troppo 第2楽章 Andante con moto 第3楽章 Scherzo: Allegro vivace 第4楽章 Finare Allegro vivace

(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (指揮) リッカルド・ムーティ
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