 【 ピアノ協奏曲 第3番 ロ短調 Op. 89 】
フンメル,ヨハン・ネーポムク 〔ハンガリー〕 (1778.11.14〜1837.10.17) 58歳

フンメルは、音楽史における 「ピアノヴィルトゥオーゾ」を最初に名乗り、 また世間に認められた技巧的で華やかな ピアノが活躍する、古典派協奏曲の 代表作を作曲している。 この時期の作曲家では唯一のライバルが ベートーベンだった。
ピアニストとしてヨーロッパ各地を演奏旅行し、 1793年以後ウィーンで、ハイドンやサリエリから 作曲を学び、ベートーベンと交友を結んだ。 (後には、メンデルスゾーンの師となっている)
ピアノ協奏曲は8曲書いているが、生前に 出版されたのは5曲で、5番までしかない。
ロマン派的な「ピアノ協奏曲第3番」は ヴァイマールの宮廷楽長時代の1821年に書かれた。 ショパンを思わせるような曲だが、32年後に 生まれたショパンはフンメルから多くを学び、 彼が残した作品には影響が色濃く感じられる。
フンメルは出版、演奏など、活発な活動を展開し、 ゲーテと共に芸術の街のヴァイマールの 発展に貢献している。
「ピアノ協奏曲第3番」はオーケストラ部の比重が 大きく、力強さはベートーベンの影響を感じさせる。 ピアノソロは、よりブリリアントでショパン的。
内面にこもった曲調が支配的な第1楽章。 ピアノの速いパッセージは封印され、抒情的な 雰囲気に包まれるロマンクティクで幻想的な第2楽章。 華麗な音楽でフンメルらしい第3楽章となっている。
第1楽章 Allegro moderato 第2楽章 Larghetto 第3楽章 Finale: Vivace

(ピアノ)スティーブン・ハフ (管弦楽)イギリス室内管弦楽団 (指揮) ブライデン・トムソン ♪ 私が聴いた音源 ♪
|
|