 【 弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 Op. 132 】 ベートーベン,ルードヴィヒ・ヴァン〔ドイツ〕 (1770.12.16〜1827.03.26) 56歳
 ベートーベンは、全16曲の弦楽四重奏曲を 書いているが、「ガリツィン4重奏曲」と呼ばれる 3曲は、ロシアの貴族のニコライ・ガリツィン公爵の 勧めによって作られ、献呈されている。
第12番 変ホ長調 作品127 第13番 変ロ長調 作品130 第15番 イ短調 作品132
「第15番 イ短調」は、第1、第2楽章を 書き終えた後、持病の腸の疾患が悪化し、 しばらく書くことができなかった。
病気は回復に向かい、再び作曲を続けたが、 「病癒えたものの、神に対する聖なる感謝の歌」と 題した天上の音楽にもたとえられる、 美しい第3楽章を得ている。
続いて力強い行進曲調の第4楽章、異色ある レチタティーボ風の間奏をはさんだ、雄揮な 終楽章まで、溌剌たる新しい元気にみちて 一気に書き上げられた。
各楽章はそれぞれ整然とまとまった形式を もっているが、また全楽章を一貫して力強く 希望に満ちた感情を盛り上げていく 観念的な統一がある。
新鮮な生気にあふれ、主題展開の技巧的な 処理も極めて練達であり、精神的な 高い感動をもった優れた作品である。
1825年11月6日にウィーンで初演され、 大喝采を博した。
第1楽章 Assai sostenuto - Allegro 第2楽章 Allegro ma non tanto 第3楽章 Molto Adagio - Andante 第4楽章 Alla Marcia assai vivace 第5楽章 Allegro appassionato - Presto

(演奏) ヴェーグ四重奏団 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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