【 二つのアラベスク 】 ドビュッシー,クロード・アシル〔仏〕 (1862.08.22〜1918.03.25) 56歳 大腸癌
ドビュッシーの祖先はブルゴーニュの出で、 代々農業や手工業に従事していた。 祖父はパリに生まれパリで死んだ指物師だった。 その長男として生まれたドビュッシーの父は、 サン=ジェルマン=アン=レーに陶器の製造販売の 店を出していたとき、長男として生まれたのが ドビュッシーで159年前の8月22日のことだった。
彼は、幼いころのことを語りたがらなかったといわれ、 幼年時代のことは不明なところが多いが、幼い頃から 音楽に驚くべき才能を発揮したようだ。
「近代音楽の父」といわれ、フランス印象主義音楽を 創始した大家のドヴュッシーは、きわめて 「フランス的」な作曲家で、当時のモネ、マネー、 ルノアールなどフランス印象派の画家たちの新しい 手法と、ヴェルレーヌ、ボードレーヌなど印象派の 詩人たちの洗練された作詩法から多くの影響を受け、 音楽の分野で新しい傾向の作品を創造した。
「二つのアラベスク」は、彼の最初の ピアノ作品で、 ローマ大賞を受け、イタリアに留学して 帰国直後の作品である。
第1曲のアラベスクは、美しいアルペッジョが 爽やかな明快さをもって反復され、はぎれのよい 優雅な表現の支えとなっている。
上声部のメロディーには甘味をもった美しさがあり、 ロマンティックなマスネーの魅力と、ラモーや クープランによって打ち立てられた鍵盤楽器音楽の 領域での洗練された優雅な表現法と、 ドビュッシー自身のもつ新しい感覚がともに 存在している小作品である。
第2曲は、マスネーの影響が感じられるが、動きの ある生き生きとした躍動する世界を描いている。 伝統的な和声の進行ではなく、平行5度進行を 使用している。
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