[PREV] [NEXT]
...... 2021年08月12日 の日記 ......
■ 《 自由主義者 》   [ NO. 2021081201-1 ] o

【 歌劇「イエヌーファ」 】
    
ヤナーチェク,レオシュ〔チェコ〕
(1854.07.03〜1928.08.12) 74歳
     

    
モラヴィアのフクヴァルディで貧乏教員の
10番目の子どもとして生まれたヤナーチェクは、
「モラヴィアの熊」と呼ばれた
チェコの野性的作曲家である。

学生時代の大部分を苦学しながら過ごし、
人生の盛りを教育に捧げながら、創作活動をした。

彼が生まれたモラヴィアは、古くからの民族文化が
残っていて、民謡には独特の教会旋法や変則的な
拍子が出てくるが、それらの民謡を徹底的に研究し、
自分の作品の中に取り入れた。

さらに彼は、街の物音や鳥の声、人々が話す会話を
独自のやり方で音符化していたといわれている。

ヤナーチェクはロシア音楽への親近性をもっていて、
ムソルグスキーの影響を受けていることから
「チェコのムソルグスキー」といわれるが、
ムソルグスキーよりはもっと主観的な感情家で、
徹底的な自由主義者だった。
たとえ、悲観的なテーマを扱っても、必ず最後には
救いがあり、生命肯定の芽生えになっていた。

彼の作品では、9つオペラが最も重要で、
「イエヌーファ」は第3作目に作られた。
親しみやすい響きと効果的な打楽器を使った
オーケストレーションで、小さな地域の
悲劇を描いている。

第3幕のこの歌劇は、序曲はなく第1幕が
始まっても無音で、村娘のイエヌーファが登場して
しばらくして打楽器が効果的な音楽を少しずつ響かせる。

華やかな美女や美男が登場するオペラではなく、
地味な農夫や年をとった口うるさい女たちという
異色なもので、歌も短かく、派手なアリアはないが、
巧みな表現で、聴かせどころは多い。

イエヌーファ(ソプラノ)   
コステルニチカ(メゾソプラノ)
ラツァ(テノール)      
シュテヴァ(テノール)    

指揮者の小澤征爾さんが、ウィーン国立歌劇場の
音楽監督に就任した時、デビュー第一作に
選んだのが「イエヌーファ」だった。



     

...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: