 【 バレエ音楽「シバの女王ベルキス」P.177 】
レスピーギ,オットリーノ 〔伊〕 (1879.07.09〜1936.04.18) 57歳 心臓病

レスピーギは142年前の7月9日に、音楽家の 父と、感受性の強い教養豊かな母との間に、 ボローニャで生まれた。
類い稀なるオーケストレーションの名人として 知られているレスピーギの音楽は、彼の師の リムスキー=コルサコフが鮮やかな水彩画とすれば、 彼は極彩色の油絵に例えられている。
限りなく永遠の都ローマを心から愛し続け、 演奏旅行以外はローマを離れることがなかった。
レスピーギは「古代ローマ帝国の復権」を訴えた 独裁者ムッソリーニの熱心な支持者だったが、 彼の死の翌月、ムッソリーニはエチオピア併合を宣言し、 2年後にはユダヤ人迫害が始まっている。
彼は、好んで古い音楽を現代的に生かした人で、 34歳のときにローマのサンタ・チェチリア音楽学校の 教授になって以来、同校の図書館で昔の作曲家の 作品を調べるのを楽しみとし、それらの中から 気に入ったものを自分の管弦楽法で編曲することを しばしば行なっていた。
「シバの女王ベルキス」は、レスピーギが最後に 手掛けたバレエ音楽で、1931年に完成した。 アラビア風な旋律を用いて異国的な雰囲気を 醸し出したり、多種多様な打楽器群を用いて、 彩感豊かな世界を描き出している。
しかし、オフステージ、バンダなどの楽器群など、 規模の大きな楽曲のために初演されて以降、 ほとんどレパートリーとして定着していない。
1934年に4部からなる組曲が編まれた。 他の作曲家によって、吹奏楽に編曲されて 演奏されることも多い。
1、ソロモンの夢 2、戦いの踊り 3、夜明けのベルキスの踊り 4、狂宴の踊り

小長谷宗一編曲 (吹奏楽) 東京シンフォニック・ウィンド・オーケストラ (指揮) 久志本 涼 ♪ 私が聴いた音源 ♪
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