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...... 2021年06月24日 の日記 ......
■ 《チェロの貴公子》   [ NO. 2021062401-1 ] ch

【 ピアノ三重奏曲 第7番 Op. 97「大公」】

ベートーベン,ルードヴィヒ・ヴァン 〔独〕
(1770.12.17〜1827.03.26) 56歳

フルニエ,ピエール 〔仏〕
(1906.06.24〜1986.01.08) 79歳



気品のある容貌と優雅で洗練された演奏で
「チェロの貴公子」と呼ばれた、フランスのチェロ奏者の
フルニエは115年前の6月24日にパリで生まれた。

パリ音楽院を卒業後パリでデビューし、注目された。
日本には度々来日し、親日家として知られていて、
夫人は日本人である。

ソリストとしての活躍の他に、室内楽を多く
手がけていて、ベートーベンのピアノ三重奏全集の
名盤を残している。

ベートーベンの円熟期である1811年(41歳)に
作曲され、「大公トリオ」と呼ばれているピアノ、
バイオリン、チェロの「三重奏曲」は、
ルドルフ大公に捧げられたことから、
「大公」と呼ばれている。

ルドルフ大公は、ベートーベンから作曲とピアノを
学んだ生徒で、良きパトロンでもあった人である。
ベートーベンへの年金を、多くの貴族に
呼びかけもしたし、ナポレオン軍との戦いの影響で、
他の貴族たちが援助を打ち切った後も
一人温かい庇護の手を差し伸べていた。

「告別ソナタ」「ピアノ協奏曲(皇帝)」
「ハンマークラヴィーア」「ミサ・ソレムニス」など、
ルドルフ大公に捧げられた作品は数多くあり、
名作が多い。

「ピアノ三重奏曲」は7曲作曲したが、
最後を飾るこの第7番は古今の室内楽曲のうち
最も優れた作品である。

従来の作品では、それぞれ独立性を主張した
3つの楽器が、この曲で初めてそれぞれの個性を
最大限に発揮しながら、完全に一体化し、
各楽器がその役割を忠実に果たし、ひとつの
新しい音の世界を築きあげた。

規模は、ハイドンやモーツアルトの交響曲に
匹敵するほど大きく、構成も精密で、
一分の隙もなく、協奏的色彩を備えている。

エネルギッシュな力をうちに秘めつつも、
きわめて豊かな旋律と和声の美しさは、
この時代特有のやわらかく細やかな心の動きが
感じられる。円熟した情操と雄大な風格と
品位とを兼ね備えた名曲である。

      第1楽章 Allegro moderato
      第2楽章 Scherzo: Allegro
      第3楽章 Andante cantabile ma pero con moto
      第4楽章 Allegro moderato



(ピアノ)   ヴェルヘルム・ケンプ
(ヴァイオリン)ヘンリク・シェリング
(チェロ)   ピエール・フルニエ 
        ♪ 私が聴いた音源 ♪





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