【 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35 】
チャイコフスキー,ピョトル・イリイチ 〔露〕 (1840.05.07〜1893.11.06) 53歳 コレラ
アウアー,レオポルド 〔洪〕 (1845.06.07〜1930.07.15) 85歳
ハンガリー出身でユダヤ系のアウアーは、170年前の 6月7日ヴェスプレームで生まれた。 ヴァイオリン奏者、教育者、指揮者、作曲家として 活躍したが、多くの作曲家から作品を献呈されている。
当時、ペテルブルグ音楽院の教授で、宮廷付音楽家だった アウアーに、チャイコフスキーも「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」 を 献呈しようとしたのだが、アウアーは「演奏不可能だ」と 言い放ち、ペテルブルグでの初演ができなかった。
後にアウアーは、考え直し演奏するようになった。
「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」 は「四大ヴァイオリン協奏曲」の ひとつにあげられるが、メンデルスゾーン(ホ短調)を 除いて、ベートーベンとブラームスの作品もニ長調である。 これは偶然ではなく、ニ長調はヴァイオリンの 一番よく鳴る調だからということのようだ。
4人共、一生のうちにヴァイオリン協奏曲を1曲しか 残していないと思われていたが、1951年になって メンデルスゾーンには、13歳のときに作られた ニ短調の曲が見つかった。
チャイコフスキーの協奏曲は38歳のときの作品で、 この年友人のコテックというヴァイオリニストが しばらくいっしょに住んでいたので、 ヴァイオリンの部分の演奏を彼に頼むことが出来た。
出来上がったこの名曲は、最初評判が悪かった。 しかし、初演のときに独奏したロシアの ヴァイオリニストのアードルフ・ブロズキーが、演奏旅行の 旅ごとに各国で演奏し、ようやく認められるようになり、 後にこの曲は、彼に捧げられた。
ヴァイオリン独特の絢爛たる近代的演奏技法を 十分に発揮し、管弦楽を色彩豊富に用い、ロシア民謡を 加味した地方色と、チャイコフスキー独特の哀愁こもる 耽美的な旋律をもりこんだ独自な作品となっている。
第1楽章 Allegro moderato-Moderato assai 第2楽章 Canzonetta Andante 第3楽章 Finale - Allegro vivacissimo
(ヴァイオリン)アルフレード・カンポーリ (管弦楽) ロンドン交響楽団 (指揮) アタウルフォ・アルヘンタ ♪ 私が聴いた音源 ♪
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