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...... 2021年03月14日 の日記 ......
■ 《 シューベルトの恋 》   [ NO. 2021031401-1 ] ch

【 弦楽四重奏曲 第13番 イ短調   
          D804 Op. 29の1 】

    
シューベルト,フランツ・ペーター〔墺〕
(1797.01.31〜1828.11.19)31歳 チフス
    

    
シューベルトには詩人、画家、音楽家、官吏、
学生など友人が多かった。
シューベルティアーデ(シューベルト組)と呼ばれ、
彼らと共に生活をしていた。

そんな彼は、なぜか女性の愛には恵まれなかった。
エステルハージ伯の次女カロリーネは、
ピアノのお稽古のお相手で、一方的な愛に終わった。

美しいソプラノの持ち主のテレーゼは、子どもの
ときから同じ教会の合唱団などで親しくつきあっていた。
二人のいきさつは、彼の友人に告白している。

「僕は心から真に愛し、相手も僕を愛した女が
1人あった。彼女は僕よりも幾分若かったが、
僕の作曲したミサを演奏したときなど、彼女の
ソプラノ独唱は実に見事で非常に音楽的であった。
彼女は顔に痘痕があって美しくなかったが、
気持ちの良い真実な人だった。
僕は3年間も結婚することを望んで努力してみたが、
家庭を支えるべき収入の道がなかったので、
彼女は両親のいいなりに他に嫁いでしまった。
そのときの僕の気持ちは辛かった。
僕は今でも彼女を愛している。
その後も彼女のように気にいった人はいなかった。
結局彼女は僕に縁がなかったのだ。」

弦楽四重奏曲イ短調は、前年に作られた劇音楽
「ロザムンデ」(キュプロスの女王、ロザムンデ、
4幕のロマン的劇)の間奏曲の旋律を、
第2楽章の主題としているため、
「ロザムンデ四重奏曲」と称されることもある。

シューベルトは3曲の四重奏曲を作って、
これを作品29とするつもりだったが、
その第2以下は続けることができなかった。
そのため、この曲は作品29の1であるが、
第1という番号は無意味になってしまった。

1824年3月14日にウィーンで初演されたが、
そのとき友人の画家シュウィンドは「これは
大喝采をえた。特に第3楽章のメヌエットが
そうであった。それは素晴らしくものやわらかで、
自然である」と書いている。

シュウィンドは、シューベルトよりも7年年下で、
兄のように敬愛していた。
もの優しい女性的な性格で、仲間からは“天使”と
呼ばれ、シューベルトに対する甘い愛情を
もっていたので、“愛人”とも呼ばれていた。

        第1楽章 Allegro ma non troppo
        第2楽章 Andante
        第3楽章 Menuetto - Trio: Allegretto
        第4楽章 Allegro moderato



(演奏)メロス弦楽四重奏団
   ♪ 私が聴いた音源 ♪




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