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...... 2021年03月07日 の日記 ......
■ 《 民族音楽 》   [ NO. 2021030701-1 ] ch

【 ピアノ三重奏曲 イ短調 】

ラヴェル,モリス・ジョセフ 〔仏〕
(1875.03.07〜1937.12.28) 62歳



ラヴェルの父ピエールはスイス人技師で、
発動機工業の先駆者のひとりであり、
2行程過給エンシンの発明者として著名な存在であった。
スペイン国境に近いピレネー山地のバスク地方の
シブールに住んでいたスペイン人の母との間に、
146年前の3月7日、長男として生まれたが、
3ヶ月後にはパリに移り定住した。

3年後に弟が生まれ、若いころから音楽を愛好して
いた父は2人の息子を音楽家に育てたいと望んだ。
しかし、音楽の道に進んだのは兄のラヴェルだけだった。

スペインの民族音楽の色彩的官能美にひかれたことも
ラヴェルの創作の土台となっていて、彼の作品は
色彩豊かな表現の世界を作り上げている。

二十世紀の偉大なピアノ三重奏曲 といわれる「イ短調」は、
第一次世界大戦の前夜の1914年の夏に書かれた。
その時、ラヴェルは静かな澄んだ風光のピレネー山麓の
サン・ジャン・ド・リュスに居た。

召集令状が届くまでの5週間で完成させが、前線に
出動すれば、再び生きては帰れないことを予想し、
音楽的な遺書となることを考えていたようだ。

数カ月後、一兵士として前線へ出動し自動車輸送部隊で
凄惨な体験をしたことが数多くの手紙からうかがわれる。

この「三重奏曲 イ短調」は、大戦までの音楽的生涯の
一つの精算として、ラヴェルの反抗的な情熱の
片鱗を秘めている。

4楽章からなるが、主題はバスクや中近東の
民族音楽に影響されている。
中世の教会旋法を用いた第1楽章。

生き生きとした精巧な和声による美しいスケルツォの
第2楽章は東南アジアマラヤ地方の詩の形式で
二つの独立した句が平行してうたわれるパントゥム。

バロック時代の形式パッサカリアによる第3楽章。

ラベルの生まれ故郷バスク地方特有の
変拍子を用いている第4楽章。

         第1楽章 Modere
         第2楽章 Pantoum: Assez vif
         第3楽章 Passacaille: Tres large
         第4楽章 Finale: Anime



(ピアノ)  野原みどり
(バイオリン)千葉純子 
(チェロ)  菊池知也 
     ♪ 私が聴いた音源 ♪





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