【 歌曲「秋に」 Op. 17-6 】
フランツ,ロベルト 〔独〕
（1815.06.28〜1892.10.24） 77歳
ドイツのリート作曲家のフランツは、ハレで
生まれ、１２８年前の１０月２４日にデッサウで
７７年の生涯を閉じた。
２８歳のときに最初の歌曲集を出版しているが、
３５０曲の歌曲をのこしている。
彼の曲は幼いころのなにかを呼び起こすような
郷愁をもっている。
難しくない伴奏、声域は１０度以内、
民謡的な楽しさなど、親しみやすい。
淡々としていて、日本人の「わび、さび」に
通ずるものが流れているともいわれる。
ミュラーの詩に作曲した規模の大きな作品で、
ほとんどが２分以内の小曲だが「秋に」は
例外的に４、５分かかる。
劇的な効果のため演奏会でもよく歌われる。
かつて赤く咲いていた野はもう枯れはてた
かつて緑をつけていた樺の木は衣を失った
かつて二人でさまよったところを、今は一人でゆく
あわれ、秋は悲哀にみちたときではないか
かつて咲き乱れた薔薇は、今は枯れた
匂いにみちていた花は、いまははやなく、
かつて二人で摘んだ花を、今は一人で摘もう
そしてしぼみ、香りの失せた花束を編もう
なんと悲しく痛ましいことか
かつては美しいと讃えたこの世も荒れはて
かつて富んでいた私は、今は貧しく、
かつて二人で行ったところを今は一人でさまよう
私の恋は不幸であった
私は死んでゆくのだ！
（バリトン）ヘルマン・プライ
（ピアノ） レオナルド・ホーカンソン
♪ 私が聴いた音源 ♪
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