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...... 2020年08月28日 の日記 ......
■ 《 管弦楽のための民話 》   [ NO. 2020082801-1 ] e_or

【 交響詩「キキモラ」 Op. 63 】

リャードフ,アナトーリ 〔露〕
(1855.05.11〜1914.08.28) 59歳



ロシア国民楽派のリャードフはペテルブルグで
生まれ、106年前の8月28日にノブゴロトで
59年の生涯を閉じた。

リャードフは父も祖父も音楽家で、父から音楽の
てほどきを受け、後にペテルブルグ音楽院に入学し、
リムスキー・コルサコフに作曲と管弦楽法を学んだ。

23歳のときに母校の教授となったが、
生徒の中にはプロコフィエフやミャスコフスキーなど、
ロシアの著名な作曲家がいる。

帝室地理学協会の委嘱により、バラキレフらとともに
各地の民謡を採集した。
彼の音楽には、ロシア音楽特有の美しい旋律と、
ロシア舞踊特有のリズムが取り入れられ、
彼の作品の特徴となっている。

管弦楽曲の「キキモラ」は、サハロフが1849年に
著した「ロシア民間説話集」から、副題を
「管弦楽のための民話」とつけられている。

1909年12月12日にアレクサンドル・ジロティの
指揮により、サンクトペテルブルクで初演された。

キキモラは働き者の味方とされる謎の多い幻獣で
熊の胴体に鳥の足をもった姿をしているとか、
老婆の妖怪だとか、決して歳をとらない少女とか
様々な説があるようだが・・・

スコアの扉に、次のような物語が記載されている。

キキモラは、岩山に住む魔法使いの手に
はぐくまれて育ってきた。
おしゃべりな雄猫が、朝から晩までキキモラの
ために子守歌を歌い、異国の物語を語っている。
夕方から夜明けまで、キキモラは水晶の
ゆりかごの中であやされる。
7年経って、キキモラは大人になる。
彼女はとても痩せていて浅黒く、頭は
指先ほどしかなく、体は藁ほどの大きさしかなかった。
昼間は足を鳴らし、大声をあげ、夕方になると
口笛を吹き、舌を鳴らす。
真夜中になると夜明けまで麻糸を紡いだ。
全人間の幸福を呪い、悪魔のような心を持っていた。

管弦楽で描いた物語だが、曲は二部構成で、
忠実に標題を追っている。

          第1部 Adagio
          第2部 Prest



(管弦楽)ロシア・ナショナル管弦楽団
(指揮) ミハイル・プレトニョフ  
        ♪ 私が聴いた音源 ♪





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