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...... 2020年08月26日 の日記 ......
■ 《 挽歌 》   [ NO. 2020082601-1 ] e_sy

【 交響曲 第3番 (田園交響曲)】

レイフ(ラルフ)・ヴォーン=ウィリアムズ 〔英〕
(1872.10.12〜1958.08.26) 85歳



エルガーやホルストらとともに、二十世紀における
イギリス音楽復興の指導的作曲家のひとりである
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズは、
“英国らしさ”を感じさせる人物で、最近になって
英国の文化やライフスタイルが注目を集め、
その音楽にも愛好家が増えてきた。

父は貴族階級、母は名門ウェッジウッド家
(高級陶器のウェッジウッド)という絵に描いたような
英国の上流家庭に生まれたヴォーン・ウィリアムズは、
最初はヴァイオリニストを目指したが、
王立音楽大学で作曲家に転向した。

ホルストらとともに民謡採譜のため英国内を
くまなく回り、英国の教会音楽や賛美歌を
書物にまとめる仕事にも携わって、
自国の伝統音楽をしっかりと学んだ。

一方、ドイツ・ロマン派の作曲家ブルッフや、
ラヴェルにも教えを請い、様々な作曲技法を身に付けた。

62年前の8月26日のロンドンの自邸で、
心臓発作のため85年の生涯を閉じたが、創作活動は
亡くなる直前まで続けられ、その威厳ある音楽と
人間性で“グランド・オールド・マン(偉大なる老人)”
と呼ばれ、多くのファンに愛された晩年だった。

彼はあらゆるジャンルの作品を手がけているが、
「海の交響曲」「ロンドン交響曲」「田園交響曲」
「南極交響曲」など、交響曲を9つ書いている。
これらの作品には「英国」をイメージする、
バッキンガム宮殿の威厳あるたたずまいや
湖水地方ののどかな田園風景、素朴なパイや
スコーンの味わいなどが、すべて備わっている。

1918年から1921年にかけて作られた
「田園交響曲」は、ヴォーン=ウィリアムズが
第一次世界大戦で、陸軍看護部隊の一員として赴き、
塹壕の中で傷付いた兵士の救援の任務についたときの
戦争体験に基づいて書かれた瞑想的な作品である。

勇敢に戦い、命を落としていった多くの兵隊たちへの
思いが込められた、大戦の犠牲者への挽歌ともいわれ、
第3楽章の一部で速いテンポが現れるが、
全楽章が遅いテンポになっている。

第4楽章では、ソプラノあるいはテノール独唱が
2カ所でボカリーズを歌う。

        第1楽章 Molto Moderato
        第2楽章 Lent Moderato
        第3楽章 Moderato pesante
        第4楽章 Lent-Moderato maestoso



(管弦楽) BBC交響楽団    
(指揮)  アンリュー・デイヴィス
(ソプラノ) パトリシア・ロザリオ
       ♪ 私が聴いた音源 ♪




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